2017年4月30日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(10)

今回は「旧支配者パック4」と「宇宙的恐怖パック」について紹介します。

= 旧支配者パック4 =
(Great Old One Pack Four $24.99)
旧支配者パック4には三種類(なぜか4体)の旧支配者ユニットが含まれています。クトゥルフ神話的に少しマイナーな邪神になりますが、その能力は面白くてどれも使ってみたくなるものばかりです。

●独立の旧支配者: バイアティス(Byatis)

象のような鼻と蟹のような爪を持つ「蛇の髭を生やすもの」バイアティスは父なるイグとともにムー大陸の蛇人に信仰されてい、現在はイギリスのセヴァン谷の古城に旧神の印で封印されているとされています。この邪神は戦闘力は高いですが封印されているため移動することができません。同じ地域に敵のユニットがいなければ旧神の印を獲得できるという特殊能力はがあります。さらに独自呪文書:忘却の神(God of forgetfulness)を使用すると周辺の地域から敵の信者を呼び寄せることができます。

●独立の旧支配者: ニョグタ(Nyogtha)

「有りうべからざしもの」ニョグタは生きている闇として形容される邪神です。旧支配者ユニットの持つ能力どれも独特ですが、このニョグタも大変特殊です。旧支配者なのに2体ユニットがついてき同時に覚醒します。この2体のうち片方に行動させるともう片方にも同じ行動を無料でさせることができます(二つで一体なのでしょう)。例えば片方が移動したらもう片方も無料で移動でき(別の場所へでも良い)、片方が戦闘したらもう片方も無料で戦闘できます。独自の呪文書:悪夢の網(Nightmare Web)があると片割れが死んでも格安で復活できるようになります。

●独立の旧支配者: トゥールスチャ(Tulzscha)

トゥールスチャはアザトースに仕える外なる神々の一柱で、召喚されると緑の炎の姿をとります。戦闘力は高くありませんが、魔力収集フェイズに追加の魔力や滅亡点(勝利点)などを獲得する能力があります。さらに独自の呪文書:絶滅の式典(Ceremony of Annihilation)があると絶滅の祭儀のかわり追加魔力を獲得する式典が実行できます。


= 宇宙的恐怖パック =
(Cosmic Terror Pack $29.99)

宇宙的恐怖パックでは新しい種類のユニット「恐怖(Terror)」が追加されます。恐怖(Terror)は基本的には怪物(Monster)と同じように扱いますが、タイプが異なるユニットなので怪物を対象にした呪文書や能力の特殊対象にならない、その分だけ倒され難いという特徴があります。

●恐怖: ドール(Dhole)

有名なドールは地下に棲む超巨大ミミズです。あまりにも巨大なため惑星を喰いつくして破壊してしまうと伝えられます。ゲーム的にも高価だが戦闘力が高いユニットになっています。そして殺されると旧神の印を獲得でき、殺した相手も滅亡点か魔力を獲得できるという特殊能力があります。

●恐怖: イスの偉大なる種族(Great Race of Yith)

6億年前に遥か彼方の銀河から地球にやって来た精神生命体で、この三角錐の姿は当時の地球上にいた生物の身体を乗っとものです。このユニットは戦闘力もそこそこありますが、怪物や旧支配者の守りを無視して敵の信者を捕虜にできるという能力が強烈です。おまけにその信者を生贄にした時の追加の魔力まで獲得できます。

●恐怖: クァチル・ウタウス(Quachil Uttaus)

この魔道師たちに崇拝される存在は時を操つ能力を持っており、不死を与えたり触ったものを衰退させ塵に変えてしまうとされます。旧支配者(Great Old One)に分類されることも多いのですが、このゲームでは「恐怖(Terror)」というカテゴリーのようです。戦闘力は低いですが特殊能力で戦闘で倒した敵ユニット1体を塵に変えてゲームから永遠に除去することができます。

--
■次回はラムジー・キャンベル・パックについて紹介する予定です。

2017年4月29日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(9)


今回から今月届いたばかりの第二期キックスターの拡張セットを紹介していきたいと思います。今回は第二期拡張の中でも中核である拡張勢力チョー・チョー人(Tcho Tcho)について紹介します。

= チョー・チョー人(Tcho Tcho) =
(Tcho Tcho Expansion $59.99)

チョー・チョー人はビルマの奥地に起源を持ち種族として邪神を崇拝する忌むべきものたちとされています。この拡張セットはそのチョー・チョー人を対象にしたものです。

●侍祭信者(Acolyte Cultist)

どの勢力にもいる6人の侍祭信者です。「チョー・チョー人」勢力に付属する侍祭信者のフィギュアは他の勢力に所属するものと造形が異なっていますが、ゲームの性能としては同じです。チョー・チョー人はアジア人に似ているとも、身長120cm程度の矮人種族であるとも色々な説がありますが、フィギュアは小さくはないようです。

●大司祭(High Priest)

これもフィギュアの造形は違いますが機能的には「大司祭拡張パック」についてくる大司祭と同じ性能です。「チョー・チョー人」勢力には何と 3人もの大司祭が付属しています。侍祭信者と大司祭合わせて9人もの幹部信者がいるのがこの勢力の最大の特徴です。この人数により魔力を潤沢に供給できるのがこの勢力の利点になます。

●原ショゴス(Proto-Shoggoth)

この勢力に所属する唯一の怪物(Monster)ユニットです。原ショゴスは元は人間でそれを魔術もしくは異界の技術により怪物に変えたものとされていますので、ある意味これもチョー・チョー人なのかもしれません。よく見るとフィギュア的にも倒れた人間から不定形の怪物が生えています。戦闘的には決して強いユニットではありませんが、6体もいるのと関連する呪文書を解放することにより、そこそこの防御力を発揮できるようになります。

●ウボ=サスラ(Ubbo-Sathla)

この勢力の旧支配者は「地球の生命の起源」「自ら存在せし源」ことウボ=サスラです。それを取り巻いていると言われる旧神の叡智を記した石版もフィギュア化されています。ゲーム的には覚醒コストは極めて安価なものの最初は弱くてまったく使いものになりません。しかしターン経過でどんどん強くなっていき最終盤には手のつけれれない強さになります。

●勢力シート(Faction Sheet)と呪文書(Spellbook)

この勢力の独自能力は誰かが「絶滅の祭儀」を実行した時に滅亡点を1点もらえるというもので派手さはありませんがかなりお得です。呪文書の能力は大司祭に関係するものが多く、その使い方が勝敗を分けます。

この勢力は最初からかなり豊富な魔力が利用できスタート・ダッシュするには最高ですが、戦闘力がほぼ皆無なため中盤以降はかなり苦しくなります。ウボ=サスラが終盤強力ユニットに育ちますが、それを待たず、にいかに先行逃げ切りを図るかを考えた方が良さそうです。

●その他

あとユゴス・マップで遊ぶためのブレイン・シリンダー・トークンも付属しています。
ブレイン・シリンダー
--
■次回は旧支配者パック4について紹介します

2017年4月28日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(8)

今回は残った第1期キックスターターの特典やミニ拡張を紹介します。

= 大司祭拡張パック =
(The High Priest Expansion Pack $19.99)
このミニ拡張パックは各勢力に大司祭信者(High Priest Cultist)を追加します。それぞれの勢力ごとの色で1体づつフィギュアが付いています。通常の6人の信者も正式名称は侍祭信者(Acolyte Cultist)といって一般信者を束ねる幹部クラスなのですが、この大司祭はその頂点に立つ人物になります。

性能的には侍祭信者と同じで単にコストの高い信者なのですが、いつでも自分自身を生贄に捧げることにより魔力を生成できるという特殊能力があります。つまり登用の際に払った余分なコストを後から引き出せるという魔力貯金のよう使い方ができ、旧支配者の覚醒や絶滅の祭儀を早めるなどに使えます。


= 6-8人用マップ =
(6-8 Player Map $19.99)
コアゲームに付属のマップは3〜5人用ですが、6〜8人で遊べる巨大な世界マップも別売されています。写真だと大きさがわかり難いのですが、通常マップよりもかなり大きくて遊ぶにはかなり広いテーブルが必要です。

さらに6人および7人用で遊ぶのに必要な儀式トラック(Ritual Track)がついてきます。第1期の勢力はコアゲームに4勢力、拡張3勢力なので最大7なので、8人用マップといいながら8人で遊ぶことはでず 8人用の儀式トラックはついてきませんでした。

あと人数が多過ぎて門(ゲート)が足りなくなった時のために追加のゲートが6つ付いてきます。


= 戦闘ダイス =
(Battle Dice)
これはキックスターター参加者に特典として配布された戦闘用ダイスです。コアゲームに付属ダイスは普通の6面ダイスで、出目6が殺戮(Kill)、出目4と5が苦痛(Pain)なのですが、このダイスにはそれぞれ「爪」と「顔」の専用のマークが刻まれています。大きさも付属ダイスが12mmなのに対して18mmと大きくなっています。こういうコンポーネントのアップグレードは嬉しいですね。


= 立体ゲート =
(3D Gate)
キックスターターの支援者限定で配布された立体ゲートです。コアゲーム付属の紙製に比べると雰囲気が断然違います。中身がみっしり詰まっていて持ち運びが重いのが難点です。


= 勢力ボード =
(Faction Board)
これもキックスターター参加者に配られたもので、各勢力の勢力シート(Faction Sheet)のアップデート版です。コアゲームや拡張勢力に付属している勢力シートは通常の紙製なのですが、このアップグレード版は厚さ4mmのボード紙になっています。また配布時点までのエラッタが適用済みになっています。


= アセナス・ウェイト =
(Asenath Waite Figure)
キックスターターの特典として配布されたアセナス・ウェイトのフィギュアでスタート・プレイヤー・マーカーとして使用します。コアゲーム付属の味気ない矢印のかわりに使い、手が指している方向に順番がまわります。アセナス・ウェイトは23歳の魔女という、クトゥルフ神話的には数少ない萌えキャラ(のはず)です(正体の話はしない)。このフィギュアは裸体に触手なのですが触手成分が多過ぎて、あまりエロい感じではないです。


= H.P.ラブクラフト =
(H. P. Lovecraft Figure)
これもキックスターターの特典で配られたもので、本とランタンを持ったラブクラフトのフィギュアです。H.P.ラブクフトは言うまでもなくクトゥルフ神話の原作者です。このフィギュアもスタート・プレイヤー・マーカーとして使用できます。


= コレクター・フィギュア =
(Collector's Figures)
同キャラ対戦用の2Pカラー、ではなくて第1期キックスターター支援者向けに配られたコレクター・フィギュアです。要は飾っておく用のおまけです。でもよく見ると侍祭信者6名がついていて、彼らを使って独自の勢力をデザインできるようにもなっています。バランスとか気にしないならば、アザトースセットについてくる呪文書と合わせるなり自作するなりすれば勢力を一つでっちあげることもできます。あとTRPGのフィギュアして使うのに最適(重要)。

--
■ここまで第1期キックスターターの分の紹介は終りです。次回から第2期キックスターター Onslaught Two の拡張を紹介したいと思います。

2017年4月27日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(7)

クトゥルフ・ウォーズ拡張紹介の第7回目は第一期拡張から三種類の追加マップを紹介します。これらの追加マップは通常の世界地図のかわりに使用するものですが、単に地形が異なるだけでなく、それぞれに特殊なギミッグが存在しています。


= 原始地球マップ =

(The Primeval Earth Map $39.99)

原始の地球を表現したマップです。地名にハイパーボリア、レムリア、ムー、アトランティスなど馴染み深いものが並んでいます。太古の地球を邪神たちで滅ぼしてしまおうというわけです。

●氷河(Glacier)

このマップのギミックは氷河です。地球はまさに氷河期へ突入したところ、ゲームが進むに連れて地表がどんどん氷河に覆われていきます。氷河に覆われた門(ゲート)は誰にも使用できなくなりますが全員に魔力を供給し出し続けます。豊富な魔力を使って残った少数の門を奪い合う展開になります。


= ドリームランド・マップ =

(The Dreamlands Map $39.99)

ドリームランド地表世界マップ(Dreamlands Surface)

ドリームランド地底世界マップ(Dreamlands Underworld)

幻夢郷とも呼ばれるドリームランドを表現した地図で地表世界と地底世界の二つに分かれており、同時に両方を使ってゲームをします。地表と地底は四つのトンネルで互いにつがなっていますがマップの端はループしていません。

●城塞(Citadel)

ドリームランドの地表マップと地底マップにはそれぞれ四か所に城塞があり、一つの勢力がどちでか四か所全ての城塞にある門(ゲート)を占拠すれば即勝利できるという追加ルールがあります。しかしこれは簡単ではありません。当然他の勢力は邪魔してきますし、さらに以下の特殊ユニットからも攻撃されるからです。

●ボール(The Bhole)とズーグ(Zoog)

ボール(Bhole)は幻夢郷の地底世界に棲む超巨大生物です。元来は平和的な生物なのですが門の放つ魔力と旧支配者たちの戦争のせいで狂乱しているとされます。ゲーム的には旧支配者と同等として扱い、誰の支配下でもなくサイコロに従って地底の城塞を支配する勢力を攻撃し門(ゲート)ごと破壊してしまいます。

ズーグ(Zoog)はドリームランドの地表世界の森に棲む生物です。このいたずら好きの生き物は誰の支配下にも入らずランダムで地表の城塞にやってきます。こいつらがいる間はその悪戯のせいで城塞の領域にある門(ゲート)を支配できないので、まずは追い出さなければなりません。

ボールやズーグの邪魔をかわしながら城塞を支配してサドンデスを目指すのか、それとも地道に滅亡点を貯めて通常勝利を目指すのが戦略が試されるマップです。


= ユゴス・マップ =

(Yuggoth Map $39.99)

ユゴズを舞台とするマップです。ユゴズとは準惑星に降格されてしまいましたが冥王星のことを指します。(冥王星破壊してどうしようというのだ?)   このマップにはなんと三つもギミックがあります。

●研究所(the Laboratory)

ブレイン・シリンダーとピラミッド・トークン
ユゴスの北極にある研究所(Laboratory)では侍祭信者を外科手術でブレイン・シリンダー(Brain Cylinder)に改造できます。

ブレイン・シリンダーは普通の信者と同じ能力を持ちますが自力で移動できず、移動するには誰かに運んでもらわなければなりません。これは一見欠点のようですが移動できないとうことは戦闘で苦痛(Pain)を受けても撤退しなくても良く、運んでもらえるとうことは移動にコストがかからないという利点にもなります。さらにブレイン・シリンダーにより信者のユニット数の上限6人を超えることができます。改造できるのは研究所の門を支配している勢力だけなので争奪になります。


●スライム海の監督所(Slime Sea Overlook)

ユゴスの西側には粘菌の海があります。そしてこの海の中央の島には監督所(Overlook)があります。
粘菌(Slime Mold)
監督所のゲートを支配する勢力は粘菌(Slime Mold)ユニットを制御することができます。粘菌はそこそこ強力な怪物の扱いですが、監督所を奪われると所有者が変更になります。ここも争奪になります。

●緑のピラミッド(Green Pyramid)

三つ目のギミックは東側にある緑のピラミッドです。このピラミッドは四角錐ではなく三角錐のようですが、ここに置かれた門(ゲート)からは通常のゲートより多くの魔力を生成されます。しかし良いことばかりではありません。
監視者(The Watcher)
緑のピラミッドの門を使用していると、緑のピラミッドの監視者(The Watcher of Green Pyramid)を目覚めさせてしまう可能性があります。監視者は全プレイヤーで順番に動かすのですが、かなり強力でピラミッド周辺のユニットを殺しまくります。危険を冒して魔力を取りに行くか敢えて無視するか悩ましいところです。

ユゴス・マップは以上のような重要ポイントを争奪しながらの戦いになります。

--
■次回は第1期キックスターターの残り分について紹介します。

2017年4月26日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(6)

今回はアザトース拡張について紹介します。

= アザトース拡張 =
(Azathoth Neutral Expansion $59.99)

アザートス拡張セットは独立の勢力ではなく「独立の旧支配者」、「中立の魔物」、「中立の呪文書」が含まれるキットになっています。

●独立の旧支配者: アザトース(Azathoth)

ご存知「混沌の中心」「盲目白痴の魔王」ことアザトースです。こいつが本気で目覚めると地球どころか宇宙が終わりそうなので、その一部を召喚して使役するといったとことでしょうか。旧支配者拡張パックの邪神たちと同じく独立の旧支配者として早い者勝ちで覚醒させることができます。

この邪神はゲーム的には覚醒に必要な魔力をサイコロを振って決め、戦闘力も覚醒するごとに変化するという混沌の魔王に相応しいランダムなユニットになっています。独自の呪文書:魔物の帝王(Daemon Sultan)の能力も使うとランダムに誰かが魔力や滅亡点(勝利点)を獲得できるというものです(所有者がちょっとだけ獲得しやすい)。こいつを計画的に使うのは難しそうですがサイコロ運にかけて引っ掻きまわすのも一興といったところです。

●中立の怪物: 古のもの(Elder Thing) (3体)

かの有名な古代種族で地球生命の創造者とも言われますが、見た目は羽根と手足の生えた樽。ゲーム的には同じ領域にいる敵の旧支配者の特殊能力を封印できるという意外と優れものです。

●中立の怪物: 星の精(Star Vampire) (3体)

透明で犠牲者の血を吸うというスター・ヴァンパイアさんですが、ゲーム的にも戦闘でダメージを与えた相手から魔力や滅亡点(勝利点)を奪えるという特殊能力を持っています。

●中立の怪物: 次元をさまようもの(Dimensional Shambler) (3体)

「空鬼」と翻訳されることもある下位次元からの怪物です。ゲームでは召喚した時にはマップ外に置いておき、好きな時にマップ上の好きな場所に登場させることができるという特殊能力があります。

●中立の怪物: 外なる神々の従者(Servitor of the Outer Gods) (3体)

笛や踊りでアザトースや他の外なる神々の無聊を慰めているとされる心無き従者たちです。ゲーム的にはこいつらは戦闘力マイナスの邪魔者です。だから自分で持つのでなく獲得したら即座に他の勢力に押し付けることができます。押し付けられたプレイヤーはこいつらを召喚させられることになります。(そう、何度も何度も。できるだけ恨みは買わないようにしましょう)

●中立の呪文の書(Neutral Spellbook) (6種類)

これらの呪文書は自分の勢力が呪文書を獲得する代わりに入手することができます。門の創造費用が安くなったり、自分の信者を生贄にして魔力を獲得したり色々と便利な能力が揃っていますが、これらを入手するとその分だけ本来の自分の勢力の呪文書が入手できなくなるので損得を良く考えなければなりません。

--
■次回は拡張マップについて紹介する予定です。

2017年4月24日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(5)

クトゥルフ・ウォーズ拡張紹介の第5回は前回の続きで旧支配者パック2と3を紹介します。

= 旧支配者パック2  =

(Great Old One Pack Two $29.99)

旧支配者パック2には以下のような4体の旧支配者が含まれています。

●独立の旧支配者: 父なるダゴン(Father Dagon)

前回の「母なるハイドラ」と対になる海の下級神。こいつは海にいる時は強いのに上陸すると弱くなるという引き籠り体質です。ハイドラとは逆に陸地にいる敵の信者を津波でさらって海洋に移動させる能力があります。独自の呪文書:インスマス面(The Innsmouth Look)が発動すると毎ターン強制で信者1人と引き換えに魔力6が生成されます。たいへん強力なのですが信者が減り過ぎると勢力が維持できなくなるの良し悪しです。

●独立の旧支配者: ボクラグ(Bokrug)

ドリームランドに棲むという巨大な水大蜥蜴(ミズオオトカゲ)の邪神。戦闘力1しかありませんが殺されても次のターンに復活してくるという特殊能力があります。この邪神は他の勢力に押しつけることができ、そこで本領発揮します。渡されると独自の呪文書:サールナートへ来た破滅(Doom that Come to Sarnath)が発動して、味方のユニットを食べ始めます。そしてこいつは死んでも復活するのです。はっきり言って最悪です。

●独立の旧支配者: アトラク=ナチャ(Atlach-Nacha)

北米のン・カイに棲むという蜘蛛の邪神。一節に彼女が巣を張り終えた時世界は終焉を迎えると言われています。ゲーム的にもその設定が生かされていてある意味最凶の邪神となっています。
彼女の特殊能力は「巣を張る」で巣自体には何の効果もありませんが、巣を6個張ると独自の呪文書:宇宙の巣(Cosmic Web)が発動し即座にゲーム終了して無条件で勝利者になれます。巣は壊せないのでこいつが巣を張り始めたら他の勢力は最優先でこいつを倒さなければなりません。

●独立の旧支配者: ガタノソア(Ghatanothoa)

ムー大陸はヤディス=ゴー山で崇拝されていた邪神です。一目見たものを生きた石像に変えるとされます。ゲームでも特殊行動で敵の信者をミイラ化(石化)できます。ミイラ化すると移動も魔力の生成もできなくなります。独自の呪文書:ムーの呪詛(Execration of Mu)が発動すると行動は必要なく同じ地域にいるだけでミイラ化できるようになります。

= 旧支配者パック3 =

(Great Old One Pack Three $14.99)

旧支配者パック3には以下の1体だけ旧支配者が含まれています。

●独立の旧支配者: ゴボゲグ(Gobogeg)

ゴボゲグは終末の神です。姿は不定形の巨大な肉の柱のようで覚醒すると巨大地震を起こすとされていますが、こいつは色々と特殊なユニットです。

そもそもゴボゲグなんて邪神は聞いたことありません。クトゥルフ神話にはちょっと詳しいと言う人でも聞いたことないでしょう。それもそのはず実はこれはサンディー・ピーターセンがこのゲームのためにデザインしたオリジナルの邪神なのです。

性能もちょっと特殊でゲームの最終盤にしか目覚めませんが覚醒コストは何と無料。その分戦闘力もゼロですが、戦闘においてダメージを受けると敵味方関係なく全てのユニットにダメージを与えるという爆弾みたいな戦力を持っています。無料だと思えば防御用に使うのも良し、敵陣に単独で突っ込ませるのも良しと意外と使えそうです。

何より酷いのが、この旧支配者が登場していると特殊能力の「法の書(Book of Law)」により、誰でも旧支配者を覚醒させると魔力 6を獲得できます。旧支配者の覚醒が格安に、クトゥルフとかなら覚醒前より逆に魔力が増える始末。旧支配者の乱舞状態で終末が早まることは間違いありません。

独自の呪文書も非常に変っていて、呪文書:混沌の書(Book of Chaos)はゲーム終了時に自動的に発動し、次に遊ぶマップや登場勢力や拡張を指定することができるというメタなものです。

--
■次回はアザートス拡張セットを紹介する予定です。

2017年4月23日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(4)

今回と次回は第1期の拡張から旧支配者パックについて紹介します。これらのユニットは「独立の旧支配者(Independent Great Old One)」としてゲームに導入します。前回の「中立の怪物」と同じように誰の味方にもなる可能性があります。

独立の旧支配者を覚醒するためにはユニットごとの特殊条件を満たする必要があります。多くの条件では自勢力の旧支配者が覚醒済みの時に魔力を支払って2体目の旧支配者として覚醒させます。死亡すると中立に戻ってしまうので他の人でも覚醒できるようなります。

旧支配者はそれぞれ独特の強力な能力を持っており、中には根本戦略の変更が必要になるようなものもあります。さらにそれぞれ独自の呪文書を持っており個別の条件を満たすことで、強力な呪文書の効果が利用可能になります。

= 旧支配者パック1 =

(Great Old One Pack One  $34.99)

旧支配者パック1には以下のような5体(柱?)の旧支配者が含まれています。

●独立の旧支配者: クトゥグア(Cthugha)

有名な旧支配者でフォーマルハウトに封印されていると言われる火の邪神です。ゲーム的には普段は戦闘力ゼロのくせに相手が旧支配者の時のみ本気出すという弱いんだか強いんだかわからない微妙なユニットになっています。ハスターやシュブ=ニグラスあたりにぶつけて相討ち狙いというのが正し使い方かもしれません。独自の呪文書:火焔嵐(Firestorm)があると殺戮(Kill)を苦痛(Pain)に下げることで「旧神の印(Elder Sign)」を獲得という得点源になるのが魅力的です。

●独立の旧支配者: アブホース(Abhoth)

北米のン・カイに棲むという不定形の旧支配者です。ゲーム的には汚濁(Filth)トークンを蒔く能力を持っており、汚濁トークンは移動できませんが戦闘力ゼロの怪物として扱えます。

汚濁トークン
さらに汚濁トークンの数が増えればアブホースの戦闘力が増えます。独自の呪文書:幼生体(Brood)があると敵は汚濁トークンのある場所の門(ゲート)を使用できなくなるという嫌らしい能力を獲得します。

●独立の旧支配者: チャウグナー・フォーン(Chaugnar Faugn)

かつてはピレネー山脈に棲んだという長い鼻と大きな耳を持つ象に似た旧支配者です。単体で強い邪神ではありませんが、自分の門(ゲート)のある場所の戦闘力が増えるという全体の守りを向上させてくれるユニットです。特筆すべきは独自の呪文書:チャウグナー・フォーンの呪い(Curse of Chaugnar Faugn)の能力で「旧神の印」を表を見て選べるようになります(自分には常に3点を敵には1点を渡すことかできます)

●独立の旧支配者: イグ(Yig)

かつてムー大陸で崇拝されていたと言われる蛇の邪神です。この旧支配者がいると自勢力の信者が全員猛毒になり戦闘で殺されると返り血で相手を殺せます。独自の呪文書:イグの使者(Messenger of Yig)があれば敵全員から魔力がもらえるというのも嬉しい感じです。

●独立の旧支配者: 母なるハイドラ(Mother Hydra)

深きものどもに崇められる下級神。このユニットは敵の数が少ない時は強いのに敵が増えると弱くなるという変な特徴があります。能力としては海洋から陸地へ敵の信者を移動させるというもので、敵を移動させる能力は色々と便利です。独自の呪文書の能力:受精卵(Zygote)を使うと自分の信者全員をコスト1で登場させることができるようになります。

--
■次回は旧支配者パック2,3を紹介します。