2016年6月21日

RQ2 紹介 - 第12回 カルト(ルーン司祭、大司祭)

前回に続いてルーンカルトについて説明します。今回はルーン司祭や大司祭などの位階について説明します。


●ルーン司祭(Rune Priest)

ルーン司祭(Rune Priest)はカルトの霊的な指導者です。またカルトの持つ魔術の力の担い手でもあります。

ルーン司祭になる
ルーン司祭になるためには以下の3つの条件を満たす必要があります。
  • そのカルトの評判の良い入信者であること
  • POW が 18 以上あること
  • 母国語の読み書きができること
さらに試験に合格してカルトの試験官を納得させる必要があります。試験の内容はレフリーが作成しますが、抽象的に済ませたい場合には入信の際と同じ以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

母国語の読み書きという条件ですが、グローランサには文字文化を持たないカルトも多数あり、その場合にはかわりにカルトの特別な言葉のスキルが一定以上あることが求められるのが普通です。例えばストーム・ブルの司祭〈獣の言葉(Beast Speech)〉80% 以上、冒険神オーランスの司祭風の声ならば〈嵐の言葉(Storm Speech)〉90% 以上が要求されます。

ルーン司祭の責務

1. カルトへの責任
ルーン司祭は神とカルトに責任を負っており、ある程度の自由はあるものの、緊急の場合には個人よりもカルトを優先して行動し、招集に応じなければなりません。

2. カルトへの援助
ルーン司祭もルーンロードと同様に収入の九割をカルトに寄付しなければなりません。また発見した魔法の道具などのうち自分で使用しないものはカルトに納めなければなりません。

3. カルトの日常職務
ルーン司祭は自分の神殿の大司祭の命令に従う義務があり、神殿の日常の業務を行なうためにほとんどの時間を費やさなければなりません。

このため司祭には戦闘スキルなどの DEX ベースのスキル訓練を行なう時間が取れないため、それらのスキルは DEX×5% まで低下します。またそれらのスキルを訓練で成長させることができず、司祭になった後は経験によってしか長させることができません。同様に能力値も STR, CON, DEX を訓練することができず、POW と CHA しか成長しません。

4. 魔力(POW)の維持
ルーン司祭は魔術の力を維持する義務があり、自主的に POW を 18未満に下げることは許されません。このため入信者と同じ方式の神性介入を求めることもできません。もし何らかの理由て強制的に POW が 18未満に下げられた場合は休職中の扱いになり、再び POW が 18以上になるまではルーン魔術の再取得ができなくなります。

ルーン司祭の特典

1. ルーン魔術の使用
ルーン司祭はルーン魔術の呪文を再使用することができます。入信者の時に覚えた呪文でも司祭になった時点で再使用可能になります。司祭は POW を 18未満に下げられないため POW 19 以上なければ新しい呪文を取得できません。

2. ルーン魔術による神性介入
ルーン司祭は一回限りのルーン呪文の形であらかじめ準備しておくことにより、高い成功率で神性介入を求めることができます。

3. POW の成長
ルーン司祭は通常の (21 - POW)×5 ではなく (25 - POW)×5で POWの成長ロールを行なうことができます(つまり成長ロールに +20% ということです)。ただし種族上限値(人間なら21)を超えることはできないので、成長した分は全てルーン呪文の獲得に当てるのが普通です。

4. 同盟精霊
ルーン司祭にもルーンロードと同様にカルトが同盟精霊(Allied Spirit)を与えてくれる可能性があります。同盟精霊に関しては前回のルーンロードの記事を参照ください。

5. 追加の訓練
カルトはルーン司祭がその職務を遂行できるように知識(Knowledge)系のスキルと〈雄弁(Oratory)〉スキルの訓練費用を肩代わりしてくれます。この費用は後から返済することが期待されています。

6. 食事と救援
カルトはルーン司祭に対してルーンロードと同様に食事と部屋と提供してくれますし、必要ならば装備なども提供してくれます。また捕虜になった場合には身代金は救援の手配を行なってくれます。

ルーン司祭の退任

誓いを破ったりカルトへの義務を放棄したルーン司祭はカルトから追放され持っているルーン魔術呪文を全て失います。罪状によっては神がさらなる神罰を与えるかもしれません。一度追放されるとカルトに戻ることはできません。

カルトを離れるのでなく、戦闘スキルの訓練する目的などで一時的な活動休止を願い出ることもできます。大司祭が休暇の許可を出すかを抽象的に判定する場合には入信試験と同じ以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

この時の寄付金は自分の 10% の収入の中から出さなければなりません。活動休止の期間は最長で 1年を超えてはなりません。活動休止期間中でもルーン呪文の再使用はできますが POW 成長の特典は失われます。

★ランタスの冒険

ランタスは友人のグリカにも力をつけるためルーンロードを目指すよう進言しますが、グリカは生まれながらに高い魔力(POW 16)を生かすために、ブルのルーン司祭を目指すことにします。2年間の冒険でグリカの POW は 18 に成長しているため、あとは〈獣の言葉〉を 80%以上に成長させれば司祭の条件を満たすことができます。彼の上司や先輩たちは言葉を教えるのに熱心ではないため、グリカはアイリーサの女祭の所に通ってそのスキルを学ぶことにしました。〈獣の言葉〉を覚えたならば、一人で混沌の怪物たちと戦うという司祭になるための試練が待っています。


●ルーンロード司祭(Rune Lord-Priest)

条件を満たせばルーンロードはからルーン司祭に転身することもできます。ルーンロードから司祭に転身した人はルーンロード司祭(Rune Lord-Priest)と呼ばれます。

ロード司祭になる

ルーンロードが POW を 18 以上に成長させ、その他のルーン司祭の条件も満たして希望すればルーンロード司祭になれます。

ロード司祭の責務

ロード司祭は基本的に司祭なのでルーン司祭と同じ責務を持ちます。例外として戦闘スキルなどの DEX ベースのスキルは現在の値から低下しなくて済みます。ただしそれ以後は通常のルーン司祭と同じく時間がないため DEXベーススキルや能力値を訓練することができなくなり、経験でしか成長させることができません。

ロード司祭の特典

1. ルーンロードの能力
神の加護によりルーンロード時代に成長させたスキルはそのまま高い値をすることができます。また神性介入以外のルーンロードの特典を維持することができます(神性介入は司祭方式になります)。

2. ルーン司祭の能力
新たにルーン司祭の全ての能力を獲得できます。ただし同盟精霊は 1人につき1体までなので、ルーンロード時代に同盟精霊を獲得していた場合にはさらなる同盟精霊を獲得することはできません。


●主任司祭(Chief Priest)

以下の条件を満たしたルーン司祭は大司祭の元を離れて独立する権利を得ます。
  • 再使用可能なルーン呪文を15ポイント以上持っている
  • 《神託(Divination)》の呪文が 5ポイント以上ある
  • カルトの知識系(Knowledge)スキルのうち 3つが 90%以上ある

主任司祭になる

上記の条件を満たしているにもかかわらず神殿に残って大司祭の権威の元に留まり続けているルーン司祭は(空席があれば)特別な地位が与えられ主任司祭(Chief Priest)と呼ばれます。

主任司祭という用語は RQ3 では使用されないので耳慣れない人も多いかもしれませんが、例えばイェルマリオのカルトの説明にある「光の将(Light Captain)」や「光の導き手(Light Guide)」などの大司祭を補佐する役職付き司祭がこの主任司祭にあたります。

主任司祭の特典

主任司祭になると他のルーン司祭に命令する権限が与えられ、カルトの日常的な職務から解放されます。このためある程度時間が自由になるようになり望むならば DEXベースのスキルや能力値などを訓練で成長させることができるようになります。他にもカルトによっては主任司祭以上の者にのみ使用可能なルーン呪文が存在していたりします。


●ルーン司祭ロード(Rune Priest-Lord)

主任司祭などの日常業務を免除された司祭がスキルを成長させてルーンロードの条件を満たした場合には「ルーン司祭ロード(Rune Priest-Lord)」になれます。司祭ロードはルーン司祭とルーンロードの兼務であり両方の能力を同時に獲得できます。前述のロード司祭(Lord-Priest)と名前や能力が似ていますが微妙に別物なので注意してください。


●大司祭(High Priest)

神殿(Temple)の指揮を執っている最上位の司祭は「大司祭(High Priest)」と呼ばれています。大司祭は各神殿ごとに一人だけ存在します。

大司祭になる

大司祭になるには以下の二つの方法があります。

1. 前任の大司祭の跡を嗣ぐ
神殿の大司祭が死亡したり隠退した場合には、残された(主任)司祭の中で最も経験を積んだ者が跡を継いで次の大司祭になります。多くの場合は順番を何十年も待つことになります。

2. 新しい神殿を建立する
上記の主任司祭の条件を満たしたルーン司祭は大司祭の許可を得て独立することができ、信者を集めて新しい神殿を建てることができればその神殿の大司祭になれます。

大司祭の特典

1. 権限
大司祭は神殿の最上位の存在で神にのみ責任を負い誰の命令にも従う必要はありません。信者を入信させて独自の信者や司祭を持つことができます。

2. 資産
大司祭はカルトに収入の九割を納める必要はありません(大司祭は実質神殿の所有者です)。

3. 自由
大司祭は自分の裁量で時間を自由に使うことができます。DEX ベースのスキルや能力値の訓練も可能です。このためルーンロードの条件も満たしてルーンロードを兼務していることも一般的です。


●昇進パス

カルトの位階と昇進パスをまとめて図にする以下のようになります。小さなカルトではルーンロードや主任司祭は空席の場合もあります。



●多重入信

カルトへの入信は原則として一つだけですが、それぞれのカルトの大司祭の許可を得ることができれば複数のカルトに入信することができます。許可を抽象的に判定する場合には入信試験と同じく以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

司祭が多重入信した場合には、二つ目以降のカルトでは助司祭(AssociatePriest)として扱われます。助司祭は食事や部屋は提供してもらえますが、身代金や救出の手配はしてもらえません。助司祭は収入の九割を納める義務がないかわりに、ルーン呪文を学ぶ場合には 1ポイントあたり 1000ルナーの寄付金が必要になります。

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以上、今回はルーン司祭とさらに上位の役職について説明しました。次回は最終回の予定で、精霊とシャーマンについて説明します。

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