2016年6月17日金曜日

RQ2 紹介 - 第09回 基本魔術(戦闘魔術)

今回から魔術関係のルールについて説明します。まずは誰でも使える基本魔術(Basic Magic)について説明します。この魔術は戦闘の際に使用することが多いため、一般の人々には「戦闘魔術(Battle Magic)」と呼ばれています。


●戦闘魔術の基本的な仕組み

RQ2 の戦闘魔術は「術者の個人の精神の力(POW)を使用して、意志で現実という織物を一時的に改変する。自然には復元力があるため短かい時間で元に戻る」というのが基本的な仕組みになっています。RQ3 の精霊魔術(Spirit Magic)とシステム的にほぼ同じなのですが原理の部分が異なっており精霊は関係していません。


●POW の一時的な消費

RQ2 の戦闘魔術の使用には一時的な POW の消費を伴ないます。POW は魂の強さであり魔力を格納する許容量とされています。 RQ2 では魔術は魂を削りながら唱えることになります。

実際の運用的には RQ3 のマジック・ポイント(MP)の消費と同じなのですが、マジック・ポイント(MP)という用語が発明される前のゲームなので「一時的な POW」の消費という用語で説明されています。

RQ3 のシステムとの最も大きな違いは、MP ならばゼロになっても気絶するだけですが、RQ2 の POW は魂なので一時的にでもゼロになってしまえばこの世から存在が消滅してしまいます(肉体は残るのですが魂が消えて無くなります)。 そのため少なくとも 1ポイント POW は絶対に残しておかなければなりません。


●使用した POW の回復

呪文などに消費した一時的な POW は 6時間ごとに 1/4 づつ回復していきます。だいたい一晩寝れば 1/4 回復、一日経てば全回復といったペースです。


●戦闘魔術の呪文の学習

戦闘魔術の呪文を学習するには、その呪文を知っているルーン司祭から《呪文伝授(Spell Teaching)》というルーン魔術を使って教えてもらう必要があります。

基本ルールブックに記載されている戦闘魔術の呪文は全てのカルトが知っており、どのカルトからでも教えてもらえます。敵対カルトの信者でなければ部外者でも料金さえ払えば呪文を教えてくれます。呪文を教えてもらうには呪文ごとに決まった金額を支払う必要があり、どのカルトでも原則として呪文の値段は同じです。一方で呪文の教示はカルトの主要な収入源となっているため、たとえ身内やパーティーの仲間だからと言って無料で教えてはいけません(破ると神罰が下ります)。

呪文の学習には 1つにつき 1週間かかり、この間は呪文の学習に専念する必要があります。可変呪文を覚えるためには 1ポイントの呪文から順番に覚えてゆく必要があります。例えば《治癒(Healing) 3》を覚えるためにはその前に《治癒 1》と《治癒 2》を修得する必要があり料金も個別に支払う必要があります。


●戦闘呪文の記憶の上限

学習することのできる呪文の数に上限は存在していませんが、即座に使用できるよう心に記憶できる呪文のポイント数は INT の値までに制限されます。記憶している呪文を別の学習済みの呪文と入れ換えるためには呪文のポイントごとに 1時間かかります。

可変呪文は学習している以下のポイント数で記憶することもできますし、記憶している以下のポイント数で使用することもできます。


●焦点具(focus)

多くの戦闘呪文では素早く集中するために焦点具(foucs)が必要となります。一般に自分自身の身体に呪文をかける場合には焦点具は必要ありませんが、それ以外を対象とした呪文は焦点具が必要です。

焦点具は一般的には長さ 50cm 程度の魔法杖(ワンド)にルーンを刻んだものを使用します。呪文ごとに個別のルーンを刻み、このルーンを見ることによって魔力を集めます。それから魔法杖(ワンド)を呪文の対象に向けることにより、対象に呪文を正確に照準できるようになります。

1本の魔法杖(ワンド)には最大で20個のルーンを刻める大きさがあり、個人の覚えている呪文全て刻むのに大抵は十分です。長い杖(スタッフ)ならばルールブックにある全ての呪文を刻んでも余裕があります。焦点具を準備する手間を省略するため緊急用の呪文の一つを指輪に刻んでおくようなこともできますし、《鋭き刃(Bladesharp)》のような武器にかける呪文の焦点を対象となる武器に直接刻んでおくこともよく行なわれています。個々の焦点の作成方法に関する知識も呪文の学習費用の中に含まれています。

いざという時は焦点具無しでも呪文をかけることができますが、その場合には心の中に呪文の焦点となるルーンと呪文の対象をを思い浮かべるために 1ラウンドの時間集中して準備しなければならず、2ラウンド目にようやく呪文をかけることができます。


●呪文の強化

戦闘呪文の投射には呪文のポイント分の一時的な POW の消費します。その際にその呪文に必要な POW を超えて、一時的な POW を費やすことができます。これにより投射時に相手の《対抗魔術(Countermagic)》などを突破しやすくなります。呪文の効果には変化がなく投射後には強化は残りません。あくまでも投射の瞬間のみの強化となります。


●戦闘呪文の投射

呪文に抵抗されない場合の成功率は固定で 95% です(96-00 以外は成功)。自分に投射する場合、意志のない物体に投射する場合、対象が気絶している場合、対象が呪文を受け入れる積極的な意志を持っている場合には抵抗はないものとみなします。RQ3 に比べて呪文の成功率が高いので、いざという時に治癒呪文に失敗して死亡などいうことはあまり起きません(まあ稀には有ります)。

一方で対象が呪文に積極的に対抗している場合や、対象が呪文に気付いておらず無意識に抵抗してしまう場合には、呪文の成功率は使用者と対象の POW の能力値の対抗ロールによって決まります。POW が同じならば成功率 50% で、POW が 1違うごとに成功率が 5%上下します。この場合の術者側の POW はこの呪文によって消費する直前の値を使用します。

呪文に失敗した場合(相手が抵抗した場合など)には呪文に使用した POW は減少しますが、呪文の効果は一切現われません。


●戦闘中の呪文投射

1戦闘ラウンドにつき呪文は一回しか投射できません。ルーン呪文の《数多の呪文(Multispell)》を使用中のみ例外です。

戦闘呪文は前に書いたように 「DEX SR」 + 「呪文のポイント数 - 1」 の SR に使用します。焦点具の準備が必要な場合にはさらに +5 SR されます。

呪文をかけている最中(呪文使用の SR より前)にダメージを受けたり、予期しない出来事により集中が途切れた場合、呪文の詠唱は中断してしまいます。この場合 POW は消費されませんが、呪文は次のラウンドに最初からやりなおさなければなりません。

★ランタスの冒険

ランタスはトロウルキン 2体と戦闘になりました。2対1では分が悪いため、接敵前にまず 1体を戦闘呪文で無害化したいと考え、知っている呪文の中で最も有効そうな《惑い(Befuddle)》の呪文を使うことにしました。

《惑い(Befuddle)》は 1ポイント呪文なのでランタスの DEX SR である SR 2 に使用可能ですが、今回は焦点具としてワンドを準備しなければならないため、+5 SR されて SR 7 になります。トロウルキンが防御魔術を使っていることはなさそうなので追加 POW での強化は行なわないことにしました。

もちろんトロウルキンは呪文に抵抗するため呪文の成功率は POW対POW の対抗ロールになります。レフリーは目標のトロウルキンの POW は 7 だと宣言しましした(トロウルキンの POW は 2D6 なのでこれが平均値です)。ランタスの POW は 13 なので呪文の成功率は 50 + (13 - 7)×5 = 80% になります。

ランタスは 63 を振って見事に成功、そのトロウルキンは混乱して敵味方が分らなくなり攻撃して来なくなりました。呪文で POW を消費したのでランタスの POW は現在 12 に減少しています。これ以上 POW を減らしたくなかったので、ランタスはその後は剣を抜いて1体づつ順番にトロウルキンを倒しました。


●POWの成長

POW は訓練で成長させることはできませんが、冒険において呪文や精霊戦闘のPOW 抵抗ロールで相手を打ち破った場合にはシナリオ終了後、POW の最大値が増加する可能性があります。ただし相手が弱過ぎて抵抗ロールの成功率が 95% 以上の場合には成長しません。

抵抗ロールに勝利したら、冒険が終った後に 1週間静かに過ごすことにより POW獲得ロールが行なえます。D100 をロールして (種族上限 - 最大POW)×5 以下をロールすると POW が成長します。POW が成長する量は再度 D100 をロールして以下の表で決定します。POW は種族上限(人間ならば 21)を超えることはできず超えた分は無駄になります。

D100 POW増加
01-103 point
11-402 point
41-001 point

★ランタスの冒険

前回トロウルキンの抵抗を破って呪文を成功させたことで、冒険の終了後ランタスは POW の成長を試みることができます。ランタスの現在の POW は 13 なので、成功率は (21 - 13)×5 = 40% です。ダイス目は 39 でギリギリ成功しました。 
再度 D100を振り次は 84 だったので 1ポイント成長し、ランタスの POW は 14 になりました。トロウルキンは呪文に弱いという知恵をつけたランタスは、次にトロウルキンを見かけたらまた呪文をかけておいしく POW を成長させようと目論むのでした。


●戦闘魔術のタイプ

戦闘魔術の呪文には以下の2種類があります。

受動(passive)

ほとんどの呪文がこれになります。呪文の投射後は術者が意識しなくても呪文は効果を発揮し続け、解呪(Dispell)されるか持続時間が切れるまで残り続けます。

能動(active)

基本ルールブック記載の呪文の中では《火の刃(Fireblade)》と《透明(Inbisibility)》のみがこれに相当します。この二つの強力な呪文は術者が意識を呪文に集中している間のみ効果が持続します。呪文に集中しながらでも戦闘したり移動したりできますが、他の呪文を唱えたり、ダメージを受けたり、驚いたりすると、持続時間内であっても呪文の効果が切れます。ルーン呪文の《延長(Extension)》を併用すると受動呪文に変えることができます。


●戦闘魔術の持続時間

戦闘魔術の呪文の持続時間には以下のものがあります。

瞬間(instant)

主として検知(Detect)呪文がこれに当ります。呪文を唱えたラウンドの間のみ効果があり、すぐに効果が消えます。

永久(permanent)

治癒(Healing)呪文などがこれに当ります。呪文の発動は一瞬ですがその結果は永遠に残り続け解呪(Dispell)できません。

一時的(temporal)

多くの呪文がこれに当り、呪文の効果は2分間(10ラウンド)の間だけ持続します。10ラウンド目の記録フェイズに効果が消滅します。戦闘にはたいてい十分ですが、それ以外の用途には以外と短かいので要注意です。ルーン呪文の《延長(Extension)》を併用することにより持続時間が延ばせます。

その他

基本ルールブックに載っている呪文の中では《彼方見(Farsee)》呪文のみが 4時間という特殊な持続時間を持っています。


●戦闘呪文の到達距離

戦闘呪文の到達距離は呪文ごとに決まっています。主なもには以下のような距離があります。あくまでも呪文発動時の距離であり、一旦呪文がかかったら効果範囲外に移動しても呪文の効果は残り続けます。

接触(touch)

《治癒(Healing)》呪文や《修復(Repair)》呪文のような一部の呪文は術者が対象に触れている必要があります。

40メートル

《探知(Detect)》呪文や《発火(Ignite)》や《消火(Extinguish)》などの呪文がこれに当ります。他の呪文より少し距離が短いですが気にしている人はほとんどいないと思います。

80メートル

ほとんどの呪文がこの距離になります。飛び道具の射程よりは少し短いですが、通常の使用にあたって距離が問題になることはほとんどありません。

160メートル

基本ルールブックに載っている呪文の中では、《念話(Mindspeech)》のみがこの距離になります。何故これだけ距離が長いのか理由はよくわかりません。


●戦闘呪文のサンプル

多くの戦闘魔術の呪文の効果は RQ3 の精霊呪文とほぼ同じですが微妙に効果や制限が異っている場合があります。例えば多くの戦闘用の可変呪文は最大で 4ポイントまでしか修得できません。

全部の呪文を紹介するのは何なので、ここでは RQ3 には無くて RQ2 にしか存在しない独特な呪文を簡単に紹介します。

《探知の探知(Detect Detection)》
物や人にかけて、対象が探知呪文によって探知されたら、術者はそれを知ることができます。持続時間が短いせいもあって使いどころが難しい呪文です。PC にはあまり人気がないようです。

《生命探知(Detect Life)》
付近にいる生命体を探知します。対象のだいたいの SIZ もわかります。RQ2 には便利な《第二の眼(Second Sight)》の呪文がないので、これが基本の呪文の一つです。

《精霊探知(Detect Spirit)》
付近にいる精霊を探知します。対象のだいたいの POW もわかります。精霊は RQ2 でも強敵なので、これもある意味、必須呪文です。

《アンデッド探知(Detect Undead)》
近辺にいるアンデッドを探知します。対象のだいたいの SIZ もわかります。アンデッドは上記の《生命探知》や《精霊探知》には反応しないのでこの呪文が必要になります。

《罠探知(Detect Traps)》
意図的に設置された罠を探知します。物理的な罠だけでなく魔法の罠や待ち伏せすらも探知でき大変便利ですが、自然にできた落し穴のような悪意のないものは探知できないので要注意です。

《探知空白化(Detection Blank)》
人や物にかけてこの呪文のポイント以下の探知呪文で探知できなくします。隠密行動の時にかけておけば魔法的にも探知されなくなれます。マジック・アイテムを《魔術探知》で検知されないように隠す時などにも使えます。

《ハーモナイズ(Harmonize)》
この呪文にかかった対象はできるだけ術者と同じ行動をするようになります。自分と同じ形態の生物にしか対象にできません。要はジャカベアの能力の呪文版ですが、使い方次第で転倒させたり崖から落としたり結構凶悪です(だからRQ3 では削除されたのかも)。

《透明(Invisibility)》
他人の注意を引かなくなり透明のように行動できます。呪文を使用したり戦闘したら呪文の効果は終了します。戦闘魔術の呪文としてはかなり有効な呪文で偵察などに最適です。

《精霊呪縛(Spirit Binding)》
精霊戦闘で倒した精霊をクリスタルや動物の中に呪縛します。動物は使い魔として特別に育てたものでないと駄目なので、通常はクリスタルの中に呪縛することになります。シャーマンでなくても精霊を呪縛できるので PC には大人気の呪文の一つです。

《異種族治癒(Xenohealing)》
《治癒(Healing)呪文》は自分と同じ形態の生物しか癒すことができないため、他の生物を治癒するのに必要になります。主に馬などの乗騎を治療するのに使用されます。徒歩のパーティーだと誰も持っていなくて友好的なニュートリング(しっぽがあるので異形扱い)が治せなくて困ったことも。

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以上、戦闘魔術の説明でした。RQ3 との違いで一番大きいのは成功率が 95%とかなり信頼がおける点ですかね? 次回はルーン魔術について説明します。

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