RQ2 紹介 - 第02回 キャラクター作成 (能力値)

今回から具体的な RQ2 のルールについて解説して行きたいと思います。単にルールを説明するだけでなく、RQ3 と相違点を挙げてみたり、個人的な独断と偏見による意見やアドバイスとかを盛り込んだりしたいと考えています。いろいろと異論とかあると思うので御意見いただけると助かります。


●能力値(Characteristic)

まずは RQ2 の能力値ですが、以下のようになっています。

Strength(STR):筋力3D6
Constitution(CON):体力3D6
Size(SIZ):サイズ3D6
Intelligence(INT):知力3D6
Power(POW):パワー3D6
Dexterity(DEX):敏捷3D6
Charisma(CHA):カリスマ3D6

RQ3 との大きな違いは外見(APP)のかわりにカリスマ(CHA)になっている点です。クトゥルフとかも外見(APP)なのですが、RuneQuest については Mongoose版などの新しい版も含めて RQ3 以外は全てカリスマになっています。個人的にもファンタジー世界においては単なる外見よりも人間的な魅力やリーダーシップを表すカリスマの方が使い安くて便利だと思っています。

もう一つの大きな違いは知力(INT)やサイズ(SIZ)も含めて全ての人間の能力値が 3D6 となっている点です。Basic Roleplay 系に馴れていると感覚的に戸惑う部分なので注意が必要です。SIZ 10 は小柄ではありませんし、INT 12 平均より少し頭が良いキャラクターになります。


●能力値の決め方(オプション)

基本的に能力値の決定は 3D6ダイス一回振りなのですが、それではさすがに運まかせ過ぎで非常に弱いキャラクターができたりします。RQ2 のルールブックにおいても冒険中の事件でキャラクターが死んだりするのは仕方ないとしても、単に能力値が足りないだけで死んでしまうのでは面白くないので、プレイヤーキャラクターはある程度有能にするよう指摘しています。そのための方法として以下のような別の能力値の決め方が挙げられています。どれを組合わせて使用するかレフリー(ゲームマスター)が適宜選択ください。

オプション(1): 能力値の平均がレフリーが決定した値(9-12)以下だったら全部を振り直す。

オプション(2): 6以下の能力値がある場合や、16以上の能力値が一つもない場合には振り直す。

オプション(3): D20 や 2D10 で能力値を決定する。

オプション(4): 全ての能力値を 2D6+6 で決定する。

オプション(5): 全ての能力値をまず 8 とし、そこにレフリーが決定した数値分(最低でも20ポイント)を割り振る。

オプション(6): 他の方法でダイスを振ったり好きな値にしたりする。


★ランタス(Rantus)の冒険

ルールを紹介するのにサンプル・キャラクターで紹介するというのは今でも良く行われる手法ですが、RQ2 でも“ルーン槍”のルーリク(Rurik Runespear)というキャラクターが登場しています。彼は成長してイェルマリオのルーンロードになり、さらに最近の本ではアーグラスの仲間の一人として英雄になっています。

このルール紹介でも例示があった方が分かり易いかもしれないということ“銀の腕の”ランタス(Rantus Silverarm)というキャラクターに登場してもらいたいと思います。

できれば有能なキャラクターを作成したいということで、ランタスのプレイヤーはオプション(4)を採用し、ランタスの能力値は全て 2D6+6で決定することにしました。

STR 17素晴しい! いきなり 6, 5 を振って 17 です。幸先が良い感じです。彼は有能な戦士になりそうです。
CON 10残念なことに次に振ったのは 2, 2。通常の作成方法ならば平均値なので、特に悪いわけではないですが毒や病気には注意が必要そうです。
SIZ 15身体の大きさでは 5, 4 を振りました。彼は立派な体格をしています。
INT 15ダイス目は 6, 3 です。良い調子です。ランタスはなかなかの知恵者のようです。
POW 11ダイス目は 4, 1、少しもの足りませんが、きっと彼の魂はまだ鍛えられる前なのです。
DEX 13ダイス目は 5, 2、まずまず問題ありません。この値ならば全ての武器を扱えるはずです。
CHA 14最後のダイス目は 4, 4、彼はそこそこ魅力的な人物のようです。今後の活躍が期待されます。

●能力値ロール

各能力値はヒットポイントのような属性値の計算したりスキルへの修正値を決めるだけでなく直接判定に使用することもあります。戦闘ルールやスキルでカバーされていな事柄を判定する場合には D100 で適切な能力値の 5倍以下を出すことにより成功/失敗を判定します。状況が困難な場合には倍率が 1倍〜4倍と下がる場合もあります。能力値ロールは成功率にかかわらず 01-05 なら常に成功で、96-00は常に失敗です。

また相手の能力値と比べて優劣を競う場合には、能力値どうしの対抗ロールを行います。これは能力値が同じならば成功率 50%ととし、能力値が 1ポイント上まわるごとに +5%、1ポイント下まわるごとに -5% の変動します。この場合も 01-05 なら常に成功で、96-00は常に失敗です。

STR: 重いものを動かしたりする判定に使用します。腕相撲などの判定も STR どうしの対抗ロールで判定できます。

CON: 痛みに耐える場合などに使用します。また毒や病気に対する対抗ロールとして使用します。RuneQuest の毒や病気は凶悪なので重要です(CON低いとまじで死ねます)。

INT: 知識や発想を判定するために使用します。知識スキルを持っていない場合に代用とし使うので利用機会はそれなりに多いです。

DEX: スキルでカバーされない運動など行うのに使用します。RQ2 には回避スキルがないので何かを避けるのはDEXロールで判定します(重要)。

POW: キャラクターと神々とのつながり表しているため幸運(luck)判定として使用します。また呪文が対象にかかったどうかを判定するために POW どうしの対抗ロールで判定します。

CHA: 対人の印象を決める場合には CHA ロールを使います。異種族に対する判定の場合には -10 の修正を受けます。ダックに馬鹿にされたり、トロウルにいきなり食べられたりしたくない場合にも大きい方が良いでしょう(笑)。

★ランタス(Rantus)の冒険

ランタスが洞窟を探索している時、レフリーは彼の足元に落とし穴がありそれを運よく避けることができるかどうか幸運判定するよう要求しました。ランタスの POW は 11 なので幸運ロールの成功率はその5倍に 55% です。ダイス目は 72、彼は落とし穴に落ちて腰を打ってしまいました(腹部に 3ダメージ)。

仲間の手助けにより何とか落とし穴を抜け出したランタスは、近くにあった大きな岩を動かして危険な落とし穴を塞ぐことにしました。レフリーは岩はとても重い(SIZ 12)ためランタスの STR 17 で対抗ロールするよう要求しました。成功率は 50 + (17 - 12)×5 で 75% になります。ダイス目は 23、ランタスは怪力をいかんなく発揮して穴を塞ぐことに成功しました。


●能力値の訓練と上限

能力値には訓練や経験で簡単に上昇するものと上昇しないものがあります。能力値の種族上限は(ロールの最大値+ダイスの数)です。能力値に +3 とか +6 とかの補正を持つ種族の場合はその補正値をダイス1個分と数えます。

筋力(STR): 1ポイントあたり1000ルナー(120時間)のの訓練で上昇します。STR, CON, SIZ の初期値のうち最も大きいものが上限になります。

体力(CON): 1ポイントあたり2000ルナー(240時間)の訓練により上昇します。STR, CON, SIZ の初期値のうち最も大きいものが上限になります。

サイズ(SIZ): 訓練や経験で成長させることはできません。

知力(INT): 訓練や経験で成長させることはできません。

パワー(POW): 訓練では成長できませんが経験により成長します。種族上限値(人間なら 21)まで成長させることができます。

敏捷(DEX): 1ポイントあたり1000ルナー(120時間)の訓練で上昇します。上限は初期値の1.5倍もしくは種族上限値(人間なら21)のうち低い方になります。

カリスマ(CHA): 訓練や経験でなく原則としてレフリーの判断(気紛れ)で上下します。一般的に冒険で名声を得たりスキルが成長したりしてリーダーとして相応しい人物になった時に上昇します。

能力値の訓練の費用がかなり安いので(武器の訓練や呪文を1つ覚えるのと同じくらい)、成長について最初から見込んでおくこともできます。他にも冒険で入手できる財宝の中に能力値を上げてくれる秘密の巻物とかあったります。逆に RQ2 では能力値が上昇が簡単過ぎるのが問題にされることがあるので、そのような場合は付録に能力値の訓練を難くするオプションルールがあるのでそちら採用を検討ください。


★ランタス(Rantus)の冒険

もしランタスがベテランになって十分に成長した場合には能力値は以下の値まで成長する可能性があります。

STR 17  ……CON, STR, SIZの最大値なのでこれ以上成長できません
CON 17  ……STR と同じ値まで訓練できます
SIZ 15  ……既に成人しているので SIZ は成長しませんん
INT 15  ……INT も成長しません
POW 21  ……経験により人間の上限まで成長させることができます
DEX 19  ……初期値の 1.5 まで訓練することができます
CHA 21  ……人間の上限まで成長させることができます

さすがに CHA 21 は高名な英雄にでもならない限り難しいでしょうが、その他の能力値は幸運に恵まれて長生きして経験と訓練を重ねれば十分可能です。


●能力値についてのアドバイス的なもの(その1)

割り振り方式を採用するなど初期能力値についてある程度選択肢がある場合には、属性値やスキル修正値を計算してきっちり調整するのが有利なのですが、ここではもう少しアバウトなアドバイスなどを書いておきます。

最初に考えるべきは、そのキャラクターがパーティ内でどのような役割を担うかを他のプレイヤーと相談することです。RuneQuest はスキル制の RPG なので D&D のような明確なクラス分けは存在せず、全員が武器を振るったり呪文を唱えたりできるのですが、やはり前衛の壁担当とか後衛の回復担当とかの役割分担を行った方がパーティ全体として強くなります。おおまかに分類すると以下のようになります。

まず前に立つ「重戦士」が非常に重要です。特に戦闘スキルの低い最初のうちは生き残れるかどうか鎧の厚さにかかっています。前衛となる壁がいなければ一気に崩壊することが珍しくありません。人数が少なければ全員が重戦士でも良いくらいです。重戦士にとって重要な能力値は STR と SIZ と CON です。これによって荷重の上限、すなわち着れる鎧の上限が決まり、ヒットポイントやダメージボーナスなどの戦闘力もこれらの能力値によって決まります。

次に速度と手数重視の「軽戦士」が考えられます。相手より先に攻撃するのに重要なのは DEX と SIZ です。どちらもストライクランクに関する重要なな値です。場合によっては両手武器や槍のような長い武器を持たせるのも有効です。軽戦士は高い DEX を生かすために射撃武器も担当するのが好ましです。状況により前に出ざる得ないことも多いので軽戦士といえでもできるだけ良い鎧を着ましょう。

スキル重視の「盗賊」系キャラクターを作成する場合に重要となるのは DEX と INT です。どちらもスキル修正値に大きく影響します。特に INT は経験によるスキルの成長にも影響するので重要です。あと CHA も高ければスキルの訓練費用が値引きしてもらえるのでお得です。逆に SIZ が高いと隱れたり身を躱したりすのにペナルティなるので、これだけはあまり高くない方が好ましいです。金属鎧は音を立てて忍び歩きなどの邪魔になるので着ないが普通です。

呪文の重視の「魔術」系キャラクターならば必要なのは INT と POWです。INT で記憶できる呪文の数が、POW で呪文の使用回数が決まります。特に POW は相手の呪文抵抗を打ち破るのに必要になります。呪縛できる精霊の最大数が CHA で決まるので将来を考えれば CHA も欲しところです。初期は(お金無くて)ほとんど呪文が覚えられないので他の役 割も兼任出来た方が良いでしょう。


●能力値についてのアドバイス的なもの(その2)

長期のキャンペーンを前提にするのならば成長を考えてもう少し別の検討も必要になってきます(序盤を生き残ることができればという条件付きですが)。

まず INT は普通の方法では成長させることができないので最初からそれなりに高い値を持っている必要があります。後半になるとスキルの成長速度が INT に依存しますので何より重要になります。

STR, CON の上限は STR, CON, SIZ の三つの能力値のうちの最大のものなので、この中のどれか一つは大きな値が欲しいです。あえて言えば SIZ は成長できないので SIZ が大きいのが望ましいです。

DEX は初期値 14 あれば人間の上限の 21 まで成長できます。初期値 11 でも 16 までは成長できるの最初からそこまで高い必要はありませんが、あまりにも低過ぎるのは避けましょう。

POW は一番成長させやすい能力値なので、時間をかけて成長させるつもりならば最初は低くても問題はないと言えます。一方でさすがに低過ぎると敵の呪文にかかり易くなり、とても危険なことは覚えておいてください。それとルーンロードやルーン司祭への昇進条件に POW がありますので、他人より早く上の位階に就きたい場合には最初から POW が高いほど有利です。

CHA はレフリー次第ですが、一般にはキャンペーンを続けていれば自然に上がって行きます。最初はぱっとしないキャラクターが英雄的なリーダーに成長して行く過程を楽しむという意味では最初から高くなくても大丈夫でしょう。


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以上、能力値の説明だけで色々と書き過ぎた気がします。「APP のかわりに CHA を使います。能力値は全部 3D6 です」だけでも良かった気もしますが書いてしまったものは仕方ありません。読む方も疲れると思うので次回からはもう少しだけ押さえて行こうかと思います。

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