2016年6月15日

RQ2 紹介 - 第08回 戦闘 (遠距離攻撃、身体ダメージ)

戦闘の続きということで、今回は遠距離攻撃について説明します。
その後、身体部位とダメージについて説明します。


●遠距離武器の攻撃

射撃武器(弓やスリング)や投擲武器(ジャベリンや投げ斧)などによる攻撃は有利なため近接武器よりも早いタイミングで判定可能です。準備ができてさえいれば DEX SR に 〈武器攻撃〉スキルをロールして成功すれば命中したことになります。


●遠距離武器使用時の受け

射撃攻撃には通常両手が必要なため盾などと併用することができず受けはできません。スリングのみが例外で〈スリング攻撃〉は〈小型盾受け〉と同時に実行できます。投擲武器(ジャベリン等)は任意の盾と組み合わせて使用することができます。

非常時には攻撃をあきらめて弓やクロスボウなどを使用して相手の近接攻撃を受け流したいと思うかもしれません。この場合にはスタッフ等と同じ扱いで〈モール受け〉スキル(持っていない場合は基本値の20%)を使用します。もちろんそのラウンドにはその武器を射撃攻撃に使用することはできません。あと射撃武器は HP が少なく簡単に壊れてしまうので要注意です。


●射撃武器の準備

射撃武器や投擲武器は武器の種類によってその準備にかかる時間が異なります。射撃速度が S/MR と書かれている武器は準備(弓に矢を番えたり)するのに、通常の 5 SR で済み、ストライクランクさえ足りていれば、同じ戦闘ラウンドに準備して射撃を繰り返して複数回攻撃することもできます。

射撃速度が 1/MR となっている武器は 1ラウンドに1回しか攻撃できず、発射した後のラウンドの残り時間全てを次弾の準備に使用しなければなりません。射撃速度が 1/2MR とか 1/3MR とかになっている場合には、2ラウンドに1回とか 3ラウンドに1回しか攻撃できません。残りの時間は全て次の弾の準備をしているとみなします。

★ランタスの冒険

冒険生活の中でランタスは弓射撃と呪文をいくらか覚えて遠隔戦闘も可能になりました。ブルーと戦闘になったランタスは接近する前にできるだけ多く連射したいと考えています(彼はブルーと接近戦をしたくないのです)。前のラウンドに弓を準備して矢を番えている場合には彼の DEX は 13 なので DEX SR の 2 に射撃判定できます。そこから次の矢を番えるのに固定 5 SRかかり、さらに射撃に DEX SR が必要になるため二射目は 2 + 5 + 2 で SR 9 に判定します。さらに次の矢を番えたいところですが、9 + 5 で 12 を超えるのでそれはできません。
                          
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射撃 矢を準備して射撃

2ラウンド目は矢を番えていない状態から始まるので 5 + 2 で SR 7 に射撃が実行できます。そして矢を番えるのに 5 SR 使って 7 + 5 で 12 SR 内に何とか次の矢の準備まで終ります。
                          
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矢を準備して射撃 矢の準備

3ラウンド目はまた SR 2 に普通に射撃することもできますが、目前にブルーが接近してきているためランタスは覚えたばかりの呪文を使ってみることにしました。彼は《数多の矢(Multimissile) 2》の呪文を使用して射撃することにします。彼はこの呪文の焦点(focus)を自分の弓自体に刻んでいるため特別な準備は必要ありません。2ポイントの呪文なので DEX SR に +1 されて SR 3 に呪文がかかります。矢は既に準備してあるので、そこから DEX SR 後の SR 5 に 1本の本物の矢と 2本の魔法の矢が発射されます。これでもブルーを倒せなければ、残りの SR を使って弓を落として盾を準備することができます(剣の準備は間に合わないので次のラウンドになります)。
                          
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呪文 射撃 盾の準備



●遠距離攻撃の射程

投擲武器(ジャベリンや投げ斧)の射程は最大20メートル固定でそれ以上は届きません。射撃武器(弓やクロスボウス)は武器表に書いてある射程が有効射程で複合弓(コンポジットボウ)なら 100m です。そこまではスキルの値でそのままで命中します。有効射程の 1.5倍まではスキル 1/2、有効射程の 2倍まではスキル 1/4 で判定できます。それ以上遠い場合は命中しません。


●遠距離攻撃に対する追加ダメージ

投擲武器(ジャベリンや投げ斧)は STR と SIZ による追加ダメージを半分(端数切上げ)だけ適用できます。射出武器(弓やクロスボウ)には追加ダメージは適用できません。


●遠距離攻撃に対する避け

RQ2 には《回避(dodge)》スキルはありませんが、遠距離攻撃をされそうな場合に「遠距離攻撃に対する避け」を宣言することができます。「遠距離攻撃に対する避け」をしているラウンドは、通常の半分の速度で移動すること以外は何もでません(受けや防御値も使用できません)が、相手の遠距離攻撃の命中率が半分になります。


●遠距離攻撃と移動

自分が移動している間は(馬などに乗って移動しているのでない限り)遠距離攻撃を行うことができません。攻撃の対象が移動している場合には移動の方向によって射撃に以下のような修正を受けます。
  • 相手が真っ直ぐ近づいて来る場合: 修正無し
  • 相手が真っ直ぐに離れていっている場合: 修正無し
  • 相手が射線を横切るように移動している場合: 命中率1/2
この修正は前述の「遠距離攻撃に対する避け」や「射程による修正」などと重複するので、命中率が 1/4 や 1/8 になることもあります。


●身体部位HPと全体HP

キャラクター作成の所で紹介したように RQ2 では身体部位ごとの HP と全身の総合 HP の二種類があります。総合HPが 2 以下になると意識を失い、ゼロになると死亡します。

武器による攻撃の命中を受けた場合には、(人間ならば)以下の表で D20 をロールして命中した部位を決定します。RQ3 と違って近接用と遠隔用で分かれておらず、どちらもこの表を使用します。

D20 部位
01-04右脚(Right Leg)
05-08左脚(Left Leg)
09-11腹(Abdomen)
12 胸(Chest)
13-15右腕(Right Arm)
16-18左腕(Left Arm)
19-20頭(head)               

これは RQ3 の近接用と同じ表で、体幹(頭胸腹)には当り難く(30%)、腕や脚に命中しやすく(70%)なっています。このおかげで一撃で即死する可能性が低くなっています(死ぬ時は死にますが)

武器のダメージは命中部位に着けている鎧で軽減された後、命中部位の部位HPと、総合HPの両方を同じ量だけ減らします。ただし腕や脚に一撃でその部位の HP の 2倍を超えるダメージを受けたとしても、その腕や脚の HP の 2倍までしか総合HPから引かれません。RQ3 と違ってあくまでも一撃で受けた場合のみで、二撃以上同じ部位に受けた場合の累積に上限はないので死亡することもあります。


●遮蔽(Protection)

物陰などに隱れていて身体の一部のみが見えている敵に対して射撃を行なうような場合、通常の成功率で命中判定を行なって、命中した身体部位が隠れている部位だった場合には身体ではなく遮蔽物に命中したと判定します。このルールは遠距離攻撃だけでなく近接攻撃にも適用可能です。


●部位HPがゼロになった場合の効果

各部位の HP がゼロになった時には以下のような影響を受けます。RQ3 と違って HP がマイナスになることはありません。

脚(LEG)

その脚が使用不能になり転倒します。そのラウンドの残りの行動はキャンセルされます。続くラウンドは地面に倒れたまま戦闘を継続できます。

腹(ABDOMEN)

出血し両脚が使用不能になり転倒します。そのラウンドの残りの行動はキャンセルされ、その後のラウンドは自分自身を治癒する以外には何もできません。2フルターン(10分)以内に治療できなければ出血により死亡します。

胸(CHEST)

転倒し出血による咳込みで何もできなくなります。自分自身を治癒すことすらできません。 2フルターン(10分)以内に誰かに治癒してもらえなければ出血により死亡します。

腕(ARM)

その腕が使用不能になり腕に留めているのでない限り持っている物は落としてしまいます。立ち続けることはでき残った腕で戦闘を続けることもできます。

頭(HEAD)

意識を失ない転倒します。 2フルターン(10分)以内に治癒してもらえなければ死亡します。


●一撃で大きなダメージを受けた場合の効果

RQ2 では部位HPはマイナスになりませんが、一撃で大きなダメージを受けた場合には追加効果が発生します。


腕や脚のHPの2倍を超えるダメージを受けた場合:

一撃で四肢に部位HPの 2倍を超えるダメージを受けた場合、その部位の HP の2倍を超える分のダメージは総合HPには影響を与えません。その部位は使用不能になり、そのショックにより治療されるまでは戦闘はできなくなります。自分を治癒することのみが可能です。

腕や脚のHPより 6ポイント以上のダメージの場合: 
さらに一撃で四肢に部位HPより 6ポイント以上のダメージを受けた場合は上記に加えて、その部位は切断されるか治癒不能の不具になります。 2フルターン(10分)以内に 6ポイント以上の《治癒(Healing)》呪文(もしくはルーン呪文)で治療した場合のみ再接合することができます。

頭、胸、腹のHPより 6ポイント以上のダメージの場合: 
一撃で頭、胸、腹に部位HPより 6ポイント以上のダメージを受けた場合は即死します。神性介入を願う時間すらありません(ルーンロードなら死んだ後からでも神性介入を願うことができますが)。


●ダメージの治療

基本的に身体部位ごとに治療を行ないます。部位HPが回復した場合には同じ量だけ総合HPも回復します。

治癒呪文(Healing Spell):
《治癒(Healing)呪文》は治療者の選んだ一つの部位に対してのみ効果を持ちます。出血を止めるには 2ポイント以上の《治癒(Healing)》呪文が必要となり、切断されたり不具化された四肢を回復するには 6ポイントの呪文が必要となります。また通常の《治癒》呪文は同じ部位への連続使用が制限されおり、同じ身体部位へは 5ラウンド(1分間)間をあけなければ効果がありません。

治療薬(Healing Potion):
軟膏などの塗り薬(外用薬)はそれを塗布した一つの部位のみ対してのみ効果があります。飲み薬(内服薬)は傷を負った部位からランダムに選んで治癒し、ポイントが余れば次の部位をランダムに選んで順次ポイントがなくなるまで治癒します。

自然治癒(Natural Healing):
1週間ごとにそれぞれの部位が 1 HP ずつ回復します。

毒や一部の呪文(《精霊切断》や《太陽槍》)などによる CON へのダメージは上記のような通常の治療法では回復しないので注意ください。《CON回復》のルーン呪文を使用するか再訓練が必要です。

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今回で戦闘関連のルールは終了です。次回から魔術関連のルールについて説明する予定です。

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