2016年6月15日

RQ2 紹介 - 第08回 戦闘 (遠距離攻撃、身体ダメージ)

戦闘の続きということで、今回は遠距離攻撃について説明します。
その後、身体部位とダメージについて説明します。


●遠距離武器の攻撃

射撃武器(弓やスリング)や投擲武器(ジャベリンや投げ斧)などによる攻撃は有利なため近接武器よりも早いタイミングで判定可能です。準備ができてさえいれば DEX SR に 〈武器攻撃〉スキルをロールして成功すれば命中したことになります。


●遠距離武器使用時の受け

射撃攻撃には通常両手が必要なため盾などと併用することができず受けはできません。スリングのみが例外で〈スリング攻撃〉は〈小型盾受け〉と同時に実行できます。投擲武器(ジャベリン等)は任意の盾と組み合わせて使用することができます。

非常時には攻撃をあきらめて弓やクロスボウなどを使用して相手の近接攻撃を受け流したいと思うかもしれません。この場合にはスタッフ等と同じ扱いで〈モール受け〉スキル(持っていない場合は基本値の20%)を使用します。もちろんそのラウンドにはその武器を射撃攻撃に使用することはできません。あと射撃武器は HP が少なく簡単に壊れてしまうので要注意です。


●射撃武器の準備

射撃武器や投擲武器は武器の種類によってその準備にかかる時間が異なります。射撃速度が S/MR と書かれている武器は準備(弓に矢を番えたり)するのに、通常の 5 SR で済み、ストライクランクさえ足りていれば、同じ戦闘ラウンドに準備して射撃を繰り返して複数回攻撃することもできます。

射撃速度が 1/MR となっている武器は 1ラウンドに1回しか攻撃できず、発射した後のラウンドの残り時間全てを次弾の準備に使用しなければなりません。射撃速度が 1/2MR とか 1/3MR とかになっている場合には、2ラウンドに1回とか 3ラウンドに1回しか攻撃できません。残りの時間は全て次の弾の準備をしているとみなします。

★ランタスの冒険

冒険生活の中でランタスは弓射撃と呪文をいくらか覚えて遠隔戦闘も可能になりました。ブルーと戦闘になったランタスは接近する前にできるだけ多く連射したいと考えています(彼はブルーと接近戦をしたくないのです)。前のラウンドに弓を準備して矢を番えている場合には彼の DEX は 13 なので DEX SR の 2 に射撃判定できます。そこから次の矢を番えるのに固定 5 SRかかり、さらに射撃に DEX SR が必要になるため二射目は 2 + 5 + 2 で SR 9 に判定します。さらに次の矢を番えたいところですが、9 + 5 で 12 を超えるのでそれはできません。
                          
1234567 89101112
射撃 矢を準備して射撃

2ラウンド目は矢を番えていない状態から始まるので 5 + 2 で SR 7 に射撃が実行できます。そして矢を番えるのに 5 SR 使って 7 + 5 で 12 SR 内に何とか次の矢の準備まで終ります。
                          
1234567 89101112
矢を準備して射撃 矢の準備

3ラウンド目はまた SR 2 に普通に射撃することもできますが、目前にブルーが接近してきているためランタスは覚えたばかりの呪文を使ってみることにしました。彼は《数多の矢(Multimissile) 2》の呪文を使用して射撃することにします。彼はこの呪文の焦点(focus)を自分の弓自体に刻んでいるため特別な準備は必要ありません。2ポイントの呪文なので DEX SR に +1 されて SR 3 に呪文がかかります。矢は既に準備してあるので、そこから DEX SR 後の SR 5 に 1本の本物の矢と 2本の魔法の矢が発射されます。これでもブルーを倒せなければ、残りの SR を使って弓を落として盾を準備することができます(剣の準備は間に合わないので次のラウンドになります)。
                          
1234567 89101112
呪文 射撃 盾の準備



●遠距離攻撃の射程

投擲武器(ジャベリンや投げ斧)の射程は最大20メートル固定でそれ以上は届きません。射撃武器(弓やクロスボウス)は武器表に書いてある射程が有効射程で複合弓(コンポジットボウ)なら 100m です。そこまではスキルの値でそのままで命中します。有効射程の 1.5倍まではスキル 1/2、有効射程の 2倍まではスキル 1/4 で判定できます。それ以上遠い場合は命中しません。


●遠距離攻撃に対する追加ダメージ

投擲武器(ジャベリンや投げ斧)は STR と SIZ による追加ダメージを半分(端数切上げ)だけ適用できます。射出武器(弓やクロスボウ)には追加ダメージは適用できません。


●遠距離攻撃に対する避け

RQ2 には《回避(dodge)》スキルはありませんが、遠距離攻撃をされそうな場合に「遠距離攻撃に対する避け」を宣言することができます。「遠距離攻撃に対する避け」をしているラウンドは、通常の半分の速度で移動すること以外は何もでません(受けや防御値も使用できません)が、相手の遠距離攻撃の命中率が半分になります。


●遠距離攻撃と移動

自分が移動している間は(馬などに乗って移動しているのでない限り)遠距離攻撃を行うことができません。攻撃の対象が移動している場合には移動の方向によって射撃に以下のような修正を受けます。
  • 相手が真っ直ぐ近づいて来る場合: 修正無し
  • 相手が真っ直ぐに離れていっている場合: 修正無し
  • 相手が射線を横切るように移動している場合: 命中率1/2
この修正は前述の「遠距離攻撃に対する避け」や「射程による修正」などと重複するので、命中率が 1/4 や 1/8 になることもあります。


●身体部位HPと全体HP

キャラクター作成の所で紹介したように RQ2 では身体部位ごとの HP と全身の総合 HP の二種類があります。総合HPが 2 以下になると意識を失い、ゼロになると死亡します。

武器による攻撃の命中を受けた場合には、(人間ならば)以下の表で D20 をロールして命中した部位を決定します。RQ3 と違って近接用と遠隔用で分かれておらず、どちらもこの表を使用します。

D20 部位
01-04右脚(Right Leg)
05-08左脚(Left Leg)
09-11腹(Abdomen)
12 胸(Chest)
13-15右腕(Right Arm)
16-18左腕(Left Arm)
19-20頭(head)               

これは RQ3 の近接用と同じ表で、体幹(頭胸腹)には当り難く(30%)、腕や脚に命中しやすく(70%)なっています。このおかげで一撃で即死する可能性が低くなっています(死ぬ時は死にますが)

武器のダメージは命中部位に着けている鎧で軽減された後、命中部位の部位HPと、総合HPの両方を同じ量だけ減らします。ただし腕や脚に一撃でその部位の HP の 2倍を超えるダメージを受けたとしても、その腕や脚の HP の 2倍までしか総合HPから引かれません。RQ3 と違ってあくまでも一撃で受けた場合のみで、二撃以上同じ部位に受けた場合の累積に上限はないので死亡することもあります。


●遮蔽(Protection)

物陰などに隱れていて身体の一部のみが見えている敵に対して射撃を行なうような場合、通常の成功率で命中判定を行なって、命中した身体部位が隠れている部位だった場合には身体ではなく遮蔽物に命中したと判定します。このルールは遠距離攻撃だけでなく近接攻撃にも適用可能です。


●部位HPがゼロになった場合の効果

各部位の HP がゼロになった時には以下のような影響を受けます。RQ3 と違って HP がマイナスになることはありません。

脚(LEG)

その脚が使用不能になり転倒します。そのラウンドの残りの行動はキャンセルされます。続くラウンドは地面に倒れたまま戦闘を継続できます。

腹(ABDOMEN)

出血し両脚が使用不能になり転倒します。そのラウンドの残りの行動はキャンセルされ、その後のラウンドは自分自身を治癒する以外には何もできません。2フルターン(10分)以内に治療できなければ出血により死亡します。

胸(CHEST)

転倒し出血による咳込みで何もできなくなります。自分自身を治癒すことすらできません。 2フルターン(10分)以内に誰かに治癒してもらえなければ出血により死亡します。

腕(ARM)

その腕が使用不能になり腕に留めているのでない限り持っている物は落としてしまいます。立ち続けることはでき残った腕で戦闘を続けることもできます。

頭(HEAD)

意識を失ない転倒します。 2フルターン(10分)以内に治癒してもらえなければ死亡します。


●一撃で大きなダメージを受けた場合の効果

RQ2 では部位HPはマイナスになりませんが、一撃で大きなダメージを受けた場合には追加効果が発生します。


腕や脚のHPの2倍を超えるダメージを受けた場合:

一撃で四肢に部位HPの 2倍を超えるダメージを受けた場合、その部位の HP の2倍を超える分のダメージは総合HPには影響を与えません。その部位は使用不能になり、そのショックにより治療されるまでは戦闘はできなくなります。自分を治癒することのみが可能です。

腕や脚のHPより 6ポイント以上のダメージの場合: 
さらに一撃で四肢に部位HPより 6ポイント以上のダメージを受けた場合は上記に加えて、その部位は切断されるか治癒不能の不具になります。 2フルターン(10分)以内に 6ポイント以上の《治癒(Healing)》呪文(もしくはルーン呪文)で治療した場合のみ再接合することができます。

頭、胸、腹のHPより 6ポイント以上のダメージの場合: 
一撃で頭、胸、腹に部位HPより 6ポイント以上のダメージを受けた場合は即死します。神性介入を願う時間すらありません(ルーンロードなら死んだ後からでも神性介入を願うことができますが)。


●ダメージの治療

基本的に身体部位ごとに治療を行ないます。部位HPが回復した場合には同じ量だけ総合HPも回復します。

治癒呪文(Healing Spell):
《治癒(Healing)呪文》は治療者の選んだ一つの部位に対してのみ効果を持ちます。出血を止めるには 2ポイント以上の《治癒(Healing)》呪文が必要となり、切断されたり不具化された四肢を回復するには 6ポイントの呪文が必要となります。また通常の《治癒》呪文は同じ部位への連続使用が制限されおり、同じ身体部位へは 5ラウンド(1分間)間をあけなければ効果がありません。

治療薬(Healing Potion):
軟膏などの塗り薬(外用薬)はそれを塗布した一つの部位のみ対してのみ効果があります。飲み薬(内服薬)は傷を負った部位からランダムに選んで治癒し、ポイントが余れば次の部位をランダムに選んで順次ポイントがなくなるまで治癒します。

自然治癒(Natural Healing):
1週間ごとにそれぞれの部位が 1 HP ずつ回復します。

毒や一部の呪文(《精霊切断》や《太陽槍》)などによる CON へのダメージは上記のような通常の治療法では回復しないので注意ください。《CON回復》のルーン呪文を使用するか再訓練が必要です。

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今回で戦闘関連のルールは終了です。次回から魔術関連のルールについて説明する予定です。

2016年6月13日

RQ2 紹介 - 第07回 戦闘 (攻撃、受け、防御)

今回は戦闘のメインとなる近接武器による攻撃、受け、防御について説明します。


●攻撃(Attack)

近接武器の攻撃の判定は「DEX SR + SIZ SR + 武器 SR」に行ないます。武器を抜いたり、不意打ちを受けた場合にはその分が SR に加算されます。使用した〈武器攻撃〉スキルを振って成功失敗を判定します。相手が〈受け〉に失敗したり〈受け〉をしなかった場合には命中部位をロールして相手の身体にダメージを与えることができます。その部位に着けている鎧の分だけダメージが減少します。

攻撃ロールに対して以下のような状況修正が適用されます。
  • 相手が地面に倒れていたり、移動不能な場合は攻撃に +20%
  • 相手がこちらの攻撃に気付いていない場合には攻撃に +20%
  • 攻撃側が地面に倒れている場合には攻撃成功率が 1/2 になり、身体武器以外では STRと SIZ による追加ダメージを足せない。
  • 相手が完全に防御不能な場合には D100 で 96-00 以外なら相手を即死させられる(ファンブルは通常の武器攻撃スキルの確率で発生する)

●受け(Parry)

相手の攻撃を盾で受け止めたり武器や受け流したりできます。武器や盾の準備さえできていればラウンド中のいつでも対応できます(自分の DEX SR より前でも構いません)。使用した〈武器受け〉スキルを振って成功失敗を判定します。盾で受けた場合と、武器で受けた場合で以下のように処理が異なります。

盾による受けに成功した場合
相手の武器のダメージを盾の吸収点(Absorbs)の分だけ減少させることができます。ダメージがゼロ以下になればダメージを受けません。ダメージを全部止められなかった場合には残りは命中した身体部位へと適用されます。もちろん鎧は有効です。

武器による受けに成功した場合
相手の攻撃が成功している場合には、攻撃した武器のダメージは身体ではなく受け流しに使用した武器に適用されその分だけ武器の HP が減少します。相手の攻撃が失敗している場合には、受けに使用した武器のダメージをロールして攻撃側の武器の HP を減少させます。

ただし小さな突き刺し武器(ダガー、ショートソード、レイピア)は質量が十分でないため、長柄の武器(槍、ポールアクス、モール)は柄の部分を使用して受けたり受けられたりしているとみなすため、相手の武器にダメージを与えることはできません。


●攻撃と受け結果

ちょっと分かり難いので整理すると、盾を使って受けに成功した場合には、盾が追加の鎧のように働きダメージを減少させます。盾は鎧と同じく壊れませんが止められなかった残りのダメージは身体に適用されます。これは RQ3 の受けの処理と同じです。

攻撃成功 攻撃失敗
盾受け成功 盾の分ダメージが減少する
残りは身体部位にダメージ
効果無し
盾受け失敗 身体部位にダメージ 効果無し      

一方で武器を使って受けに成功した場合には RQ3 と異なり武器が追加の身体部位のように働き、ダメージは武器の HP を減少させます。ダメージが武器の残り HP を超えていたとしても武器が壊れるだけで、身体にはダメージは及びません。

攻撃成功 攻撃失敗
武器受け成功受けた武器にダメージ  攻撃した武器にダメージ
武器受け失敗身体部位にダメージ 効果無し

武器受けに成功した場合には自分の武器か相手の武器、どちらかの HP が減ることになるので武器破壊がしばしば発生します。特に相手がグレートソードとかを使ってるようなら、それはもうポキポキ折れます。予備の武器を持ち歩くかとか《修復(Repair)》呪文を覚えるとか考慮した方が良いかもしれません。


●防御値(DEF)の使用

RQ2 には RQ3 やクトゥルフなどでおなじの〈回避(Dodge)〉スキルがありません。かわりに防御値(ディフェンス)という属性値があります。この属性値はスキルと同じようにパーセントで表記されますが直接ロールすることはなく、その数値分だけ相手の攻撃スキルを減らして命中を難しくしてくれます。

複数の敵を同時に相手にする場合や、複数回攻撃してくる相手の場合にはどの攻撃に対して防御値を適用するかを予め宣言する必要があります。また防御値を 5% 単位で自由に分割して複数の攻撃に適用することもできます。防御値が十分に大きいのでない限り分割するのはあまり得策ではないことが多いです。

★ランタスの冒険

トロウキンとの戦いは続いてます。次はトロウキンの攻撃です。トロウキンの〈両手槍攻撃〉スキルは 30% ですが、ランタスの防御値 10% が適用されため、成功率は 20% になります。レフリーのロールは 28、防御がなければ命中していた所ですが外れです。ランタスの方も盾受けに失敗してしまいますが事無きを得ました。次のラウンドのランタスの攻撃がトロウルキンの頭に命中してトロウキンは倒れました。

●防御値の成長

防御値(DEF)もスキルと同じように成長しますが、スキルに比べて成長は難しく、非常にゆっくりとしか成長しません。防御値がゼロ以下の場合にはまずは能力値を訓練して防御値をプラスにする必要があります。ディフェンスは訓練では成長させることができず経験によってのみ成長します。実戦で防御値が無ければ本来命中したはずだが、防御値のおかげで助かった場合に経験チェックを得ることができます。そしてシナリオ終了後に D100 で INT 以下(現在の値によらずINT以下です)をロールできれば +5% 成長します。

★ランタスの冒険

先のトロウキンの戦いでランタスは防御値で命中を防いだので経験チェックを得ました。シナリオ終了後、街に帰って今回のできごとを考察したランタスは防御値の成長ロールを行います。ランタスの INT は 15 なので D100 をして15 以下が出れば成功です。出目は 83、残念ながら今回の成長はありませんでした。

●クリティカル命中(Critical Hit)

攻撃がクリティカル命中した場合に、相手の受けがなければ相手の鎧や魔法による防御を無視して、そのままのダメージを身体部位に与えることができます。

クリティカル命中に対して相手が〈盾受け〉を成功した場合には、攻撃武器のダメージを 2倍して処理します。盾で吸収し切れなかった分は身体に適用しますが、このダメージには鎧は有効です。

クリティカル命中に対して相手の〈武器受け〉を成功した場合には、攻撃武器のダメージを 2倍してを受けをした武器の HP に適用します。(小さな突き刺し武器や、長柄武器の場合にはクリティカルでも相手の武器にダメージを与えることはできません)


●クリティカル受け(Critical Parry)

受けでクリティカルの出目を出した場合にはクリティカル受けになります。厳密に言えば受けのクリティカルはオプションルールとなっていますので使用しない選択もできます(使用しない人いるのかな?)

盾による受けがクリティカルした場合には盾の吸収点によらず全てのダメージを止めることができます。貫通攻撃でも盾に刺さらすに弾き返します。

武器による受けがクリティカルした場合には相手の攻撃を受け流して無効化できます。自分の武器を傷つくこともありません。

クリティカル命中に対してクリティカル受けをした場合には、通常の命中成功と通常の受け成功として処理します。


●ファンブル(Fumble)

攻撃がファンブルになった場合には「攻撃ファンブル表」でロールして結果を適用しなればなりません。受けがファンブルになった場合にも「受けファンブル表」でロールします。厳密にいえば受けファンブルもオプションルールです。

★ランタスの冒険

ランタスと彼の友人のグリカはスケルトン 1体と戦っています。スケルトンはスケイルメイルを着てショートスピアとラウンドシールドを装備しています。初心者冒険者にとってスケルトンはそこそこ強敵ですが、二人がかかりならば何ということはないはずです。

ランタスは余裕の笑みを浮かべながら攻撃しますが、なんと出目は 98、ファンブルです。攻撃を外したのみならずファンブル表でロールしなければなりません。出目は 61、「足首を捻って転倒、このラウンド受けはできない。起き上がるのに D3ラウンド、5D10ラウンドの間移動速度半分」となりました。いきなりピンチです。ここはグリカに頑張ってもらうしかありません。


●貫通(Impaling)

小さな突き刺し武器(ダガー、レイピア、ショートソード)、突き刺し武器(槍やパイク)、射出武器(弓やクロスボウ)などの攻撃ロールが攻撃成功率の 1/5(端数切捨て)以下だった場合には貫通(Impaling)が発生します。

貫通した場合にはダメージが「その武器の可能な最大ダメージ + 武器ダメージロール + 追加ダメージ」になります。貫通は威力が RQ3 に比べても大きいのでとても危険です。

貫通した武器は相手の身体に突き刺ささり、その場で抜いて取り戻すには攻撃スキルをロールして成功率の 2/5以上を出さなければなりません。抜けかなった場合には相手の身体に刺さったままになり、手を離さなければ次のラウンドからラウンドの最後に抜く試みができ、通常の武器攻撃スキルに成功すれば抜くことができますが、ファンブルすると武器が壊れてしまいます。

★ランタスの冒険

次はグリカの攻撃です。グリカの斧よる一撃はスケルトンの左腕を砕いて盾を落とすことに成功しました。

スケルトンの攻撃の番です。このスケルトンの攻撃命中率は本来 45% ですが、ランタスは転倒しているので +20% して 65% になります。レフリーの振った命中判定の出目は無情にも 10、貫通です。ランタスは受けができないのでそのまま命中部位の左脚に当ります。貫通のダメージは (6+1) + (1D6+1)、ロールは3だったので、11 ダメージです。ランタスは脚に5ポイントの脛当てをつけていますが、実ダメージ 6をくらって左脚の HP がゼロになりました(ランタスは既に転倒していますが、これで起き上がれなくなりました)、総合HPも 5 しか残っておらず大ピンチです。

スケルトンは刺さったショートスピアをすぐに引き抜こうとします。成功率は 45% の 2/5 なので 18% です。レフリーの出目は 43 で抜くことができませんでした。この後、盾も槍も無くしたスケルトンをグリカが難なく叩き壊しました。なんとか逃げ帰ったランタスは油断大敵という貴重な教訓を学んだのでした。

●貫通に対する受け

貫通攻撃に対して武器による受け流しが成功した場合には受けた武器や身体は何のダメージも受けません。突き刺し武器では相手の武器にダメージを与えることができないためです。

貫通攻撃に対して盾による受けに成功した場合は盾で吸収できなかったダメージは身体に到達しますが、武器は身体ではなく盾を貫通したことになり、盾に刺さったままになります。盾に刺さた武器は簡単には抜くことができず、戦闘終了後に 5戦闘ラウンドかけなければ抜けません。もしくは刺さった武器を攻撃して壊すことはできます。盾に武器が刺さったままでは盾の使用が困難になります。

  • 盾に ENC 2 以上の武器が刺さっている場合、その盾は使用不能になる
  • 盾に ENC 1 の武器が刺さっている場合には盾受けの成功率が 1/2 になる
  • 盾に ENC 0 の武器(矢とか)は合計で5本刺さると ENC 1と同様に扱う


●身体に貫通した武器(オプションルール)

身体に武器が貫通したままだと傷の治癒ができません。《治癒(Healing) 2》呪文や〈応急手当て(First Aid)〉スキルを使って出血を止めることは可能ですが HP を回復させることはできません。

武器が身体に突き刺さったまま移動した場合には、その武器のダメージの半分(端数切り捨て)を刺さっている部位に被ります。移動せずにその場で戦い続けるだけならダメージは受けません。

刺さっている武器を自分で抜く場合には D100 で (STR+CON)×2 以上をロールしなければなりません。抜いているラウンドは受け(Parry)も防御値(DEF)も使用できません。



●スラッシュ(オプションルール)

槍の貫通と同じように、剣や斧などの切断武器で攻撃命中率の 1/5(端数切捨て)以下をロールするとスラッシュ(slash)になります。スラッシュが発生すると武器のダメージを 2回分ロールして合計を適用します。貫通よりはダメージは少な目ですが、それでもかなりの威力になります。

貫通と同じくスラッシュした武器は相手の身体や盾に喰い込みます。即座に抜くためには武器攻撃スキルの 1/2 以下をロールしなければなりません。失敗した場合には次のラウンドから通常の攻撃の SR に再度試みることができます。抜くのにファンブルした場合には武器が手から離れてしまいます。


●クラッシュ(オプションルール)

貫通やスラッシュと同様に、メイスやモールのなどの打僕武器で攻撃命中率の1/5(端数切捨て)以下をロールするとクラッシュ(crush)になります。クラッシュが発生した場合、武器のダメージは変わりませんが、STR と SIZ による追加ダメージが「最大値 + ロールした値」になります。

人間ならばたいしたことなく、追加ダメージが 1D4 の戦士ならば 1D4+4 になるだけです(そこそこ痛いです)が、大型生物、例えば馬の蹴りとかがクラッシュすると 2D6+12 という悪夢のような追加ダメージになります。巨人の棍棒とかだともはや考えたくもない事態です。

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今回は攻撃と受けの処理でした。次回は遠隔武器とダメージについての予定です。

2016年6月11日

RQ2 紹介 - 第06回 戦闘 (戦闘ラウンドとストライクランク)

今回から戦闘ルールについて説明して行きたいと思います。まずは時間および行動順序に関するルールについて説明します。


●フルターン(Full Turn)

大きな行動を決めるための時間単位で「5分」に当たります。あまり使用する機会はありませんが、ダンジョン内での移動時間を数える時などに使用します。注意深く歩くならば 1フルターンに 120m、散歩程度の速度ならば 240m、駆け足ならば 1000m 移動することができます。訓練された馬に乗っていればその2倍の速度で移動することができます。


●戦闘ラウンド(Melee Round)

戦闘において 1回の行動をする時間単位で 12秒にあたります。1フルターンは25戦闘ラウンドに相当します。ルーンクエストの戦闘はラウンド単位で進行し、各ラウンドは以下の 4つのフェイズよりなります。
 
        第1フェイズ     意図の宣言
        第2フェイズ     接敵していないキャラクターの移動
        第3フェイズ     近接戦闘、射撃、呪文などの解決
        第4フェイズ     記録

1. 宣言フェイズ

プレイヤーとレフリーは担当するキャラクターがそのラウンドに何をするか行動宣言をします。ラウンド進行中に宣言した行動を中断することはできますが、RQ3 と違ってラウンドの途中で行動変更はできません。

2. 移動フェイズ

このフェイズに接敵していないキャラクターとモンスターの移動を処理します。接敵している場合にはそもそも移動できません。特に移動の順番とかは存在せず行動宣言に従って移動する者全員が同時に移動します。一般的な遊び方ならだいたいの相対位置でそのラウンド中に接敵できるかどうかだけを問題にします。ヘックスやスクエアなどを使った詳細な移動処理は行ないません。

移動できる最大距離は移動クラス(Movement Class)につき3メートルまでです。人間の移動クラスは 8 なので最大24メートルまで移動できます。逃走する場合など周囲の状況を観察すらせず全力で走ることだけに専念するならばその2倍の距離移動できます。

最大移動距離の半分以下しか移動していないキャラクターは、次の行動解決フェイズで近接戦闘で攻撃したり、呪文の使用したり、行動参加ができますが、半分を超えて移動した場合にはこのラウンドは移動のみとなり受けしかできません。

この独立した移動フェイズが存在していることが、RQ3 との違いの一つです。このフェイズに接敵できるかできないかの移動を全て解決できるおかげで、次のフェイズの行動解決がシンプルになっています。

3. 行動解決フェイズ

近接戦闘、射撃、呪文などの行動をストライクランクの順に解決します。接敵している場合と接敵していない場合でできる行動に違いがあるので注意が必要です。

4. 記録フェイズ

ラウンドの最後にキャラクターの状態、消費したPOW、受けたダメージ、ダメージの回復、成功したスキルや呪文の経験チェックなどを記録して次のラウンドに進みます。遅延された毒などが効果を発揮したり、呪文の持続時間が切れるのもこの記録フェイズです。


●ストライク・ランク(Strike Rank)

文字どおり「打撃の順序」でラウンド内で誰が先に攻撃判定できるかを表す値です。他のゲームでの「イニシアディブ」や「行動順」に相当する概念です。

RQ3 ではストライクランクは 1〜10 ですが、RQ2 のストライク・ランク(SR)は 1〜12 の値を取ります。計算上では SR がゼロになる場合があるのですが、その場合は多くのレフリーが SR 1 の先頭として処理しているようです。

ホビージャパンが RQ3 に「1.2秒の攻防」などという煽りをつけたりしたせいか、ストライクランクを時間の単位と思っている人もいるみたいですが、RQ3 でも RQ2 でもストライクランクは時間ではありません。

ルーンクエストの近接戦闘中の各キャラクターはラウンドの頭からラウンド最後まで何度も武器を振ったり受け流したりの戦闘行動を続けており、1回の行動をするのにそれだけの時間がかかるわけでも、自分の行動順にだけ武器を振ったりしているわけでもありません。ストライクランクは時間の単位ではなく、あくまでも誰の行動を先に判定するかという有利/不利を表す抽象的な指標です。

ストライク・ランクが小さいというのは「早い」ことではなく「有利」なことを意味します。早いと有利は多くの場合は同じようなものですが厳密には別物なので注意してください。この辺の概念は RQ3 でも同じはずなのですが結構勘違いされているようです。


●ストライクランクの上限

ストライク・ランクは最大で 12 です。12を超える場合にはその行動は実行できません(そもそも行動宣言の時点で宣言できません)。ストライクランクは時間ではないので部分的に実行して、残りを次のラウンドに持ち越すようなこともできません。


●ストライク・ランクの計算

以下の全てを足した値が戦闘におけるストライク・ランク(打撃順序)になります。近接攻撃ならば主に最初の 3つ「DEX」と「SIZ」と「武器の長さ」によってストライクランクが決まるので、この合計をあらかじめ計算してキャラクターシートに書いておきます。遠距離攻撃は「DEX」のみによります。

ストライク・ランクが同じ値の場合には生の DEX を比べて大きい方が先に判定します。DEX も同じだった場合には同時に判定して両方の結果を同時に適用します。

1. DEX SR

速さは最も重要な値です。多くのシステムで DEX順で判定するのと同様に RQ2 でも基本は DEX順で、DEX の影響が最も大きい仕組みになっています。

DEX SR
19+ 0
16-181
13-152
9-12 3
6-8 4
1-5 5

2. SIZ SR

近接戦闘において身体が大きい方がリーチが長くて有利です。これを表現するため DEX順に対して SIZ で以下のような修正値が与えられます。

SIZ SR
22+ +0
15-21+1
7-14 +2
1-6 +3

射撃武器や呪文による攻撃の場合には SIZ は射程に影響しないため SIZ による SR は加算しません。

3. 武器の長さ SR

近接戦闘では相手よりも長い武器を持つ側は有利です。これを表現するために武器の長さにより以下のストライク・ランクに修正が与えられます。拳などの身体武器は長さ 0m とみなすため、SR +4 になります。

武器の長さSR
2.0m+ +0
1.5-1.9m +1
1.0-1.4m +2
0.5-0.9m +3
0.0-0.4m +4

射撃武器や呪文による攻撃の場合には近接武器に比べてリーチが十分に長いため武器の長さによる SR は 0 とみなします。

4. 呪文の消費ポイント

強力な呪文を使用するためにはエネルギーを集めるのに時間がかかります。この不利を表現するため POW の消費ポイントに従って以下のストライクランクが加算されます。RQ3 よりは 1 SR 低い値になっており、1ポイントの呪文の場合は加算はありません。

POW消費SR
1 +0
2 +1
3 +2
4 +3
5 +4
6 +5
7 +6

5. 不意打ち

敵から不意打ちを受けた場合の不利を表現するため、不意打ちされた時の相手との距離により以下の SR が加算されます。

相手との距離 SR
3メートル以内 +3
10メートル以内+1
10メートル超え+0

6. 武器や呪文の準備

武器の準備ができていなかったり、攻撃の前に武器を持ち換えたり、新たな矢を番えたりする場合には SR に +5 の修正を受けます。手に持っている武器を落とすだけなら準備の SR は必要ありません。

剣を収めて斧を抜くとか、武器と盾のように二つのものを準備するとか、弓を抜いて矢を番えるような場合は 2回分として +10 の修正を受けます。

同様に新たに呪文の準備する場合にも +5 の修正を受けます。これは多くの呪文では焦点具として魔法杖(ワンド)などを準備しなけれればならないためです。既に焦点具を準備している場合や焦点具の必要ない呪文は準備の SR は必要ありません。

7. 移動

3メートルの移動につきストライク・ランクが +1 されます。ただしこの修正は常に適用されるわけではなく以下のような条件があります。
  1. 互いに近接戦闘をする場合には移動によるストライクランク加算しません。最初から接敵しているキャラクターはそもそも移動できませんし、このラウンドに接敵した場合でも、どちらから接近したかは有利不利には影響しないからです。
  2. 一方で接敵していないキャラクターが射撃や呪文の前に別の場所に移動した場合には、移動しない者よりも行動が遅れて不利になるため移動の分のストライクランクが加算されます。
  3. また射撃や呪文投射しようとしている敵に対して近接攻撃をしかけようと突込む場合にも、その移動の分だけ不利になるため移動のストライクランクが加算されます。
  4. 同様に既に近接戦闘を行っている敵味方に対して、3人目以降として近接戦闘に新たに参加するため移動した場合にも、既にそこにいる者たちより不利なので移動の分のストライク・ランクが加算されます。
一見するとややこしいですが、頻発する 1対1の近接戦闘の場合には移動の SRを計算しない単純なルールで処理でき、それ以外の特別な状況の場合にのみ移動の SR を計算すれば良いという運用にとても優しいルールになっています。

★ランタスの冒険

新米冒険者のランタスのバスタードソードは DEX SR 2、SIZ SR 1、武器 SR 2 で合計 5 なので、通常の場合は SR 5 に攻撃できます。

剣と盾を構えて慎重に廃墟を探索していたところ、8メートル先の塀の陰から人間サイズの大きなカエルが飛び出してきて奇襲を受けました。カエルはなんと壁の裏に張りついていたのです。

戦闘ラウンドの開始です。宣言フェイズでカエルはそのとても長い舌でランタスを打ちつけようとしています。ランタスはカエルに走り寄って剣で切りかかり盾で受けると行動宣言しました。

移動フェイズでランタスは 8メートル移動してカエルに接敵します。移動は最大値(24メートル)の半分以下なのでランタスはこのラウンドに近接攻撃が可能です。カエルは移動せずにランタスを迎え撃つようです。

次に行動解決フェイズです。カエルの舌の攻撃 SR は 4 なのでまずはカエルの攻撃ですがカエルは攻撃を失敗しました。ランタスも〈中型盾受け〉に失敗していたので当っていれば危ないところでした。ランタスの攻撃は通常の 5 に奇襲の分の +1 を加えて SR 6 に判定します。近接戦闘なので移動の分の SR は加算する必要はありません。ランタスはなんとか攻撃を命中させ、カエルは受けようとしなかったため右前脚にダメージを与えることに成功しました。

記録フェイズに〈片手剣攻撃〉に経験チェックをつけて、次のラウンドに進みます。ランタスはその後も何度か危ない場面があったものの傷を負うことなくカエルの退治に成功しました。

後日、酒場で自分の倒した大きなカエルについて自慢していたランタスですが、先輩冒険者たちからそのカエルはクリフトードといって、彼の倒したのはその中ではとても小型のもので年経たものは家より大きくなると聞いて青くなるのでした。

●複数行動(Multiple Action)

各キャラクターは 1ラウンドに複数の行動ができますが、どのような行動が可能かは接敵状態によって異なります。

接敵している場合

接敵しているキャラクターはラウンドの最初から最後まで近接戦闘を行っているとみなすため原則として「攻撃と受け」1回づつのみが可能で他の行動はできません。近接武器による攻撃のかわりに呪文の使用がきるので「呪文と受け」を 1回づつとすることもできます。

両手にそれぞれ別の武器を持っている場合には、「攻撃と受け」のかわりにそれぞれの武器で「攻撃と攻撃」または「受けと受け」を選択することもできます。「攻撃と攻撃」を実行する場合には 2回目の攻撃は両方の近接攻撃の SRを足した SR に実施されます(12を超えるようならばその選択はできません)。

RQ2 では近接攻撃と呪文は同じラウンドには実行できません。また呪文は原則として 1ラウンドに 1回しか使用できないという制約があります。このため「呪文と攻撃」や「呪文と呪文」のような行動選択はできません。

RQ2 には〈回避〉スキルは存在せず、かわりに防御値(DEF)が存在しています。防御は独立した行動ではないため攻撃や受けに加えて毎ラウンド適用できます。

接敵していない場合

接敵していない場合にはストライクランクの範囲内で「遠距離攻撃」「呪文」「移動」などを自由に組み合わせて複数行動できます(このあたりが時間の概念っぽいので誤解の元なのかもしれません)。

これらはどの順番に実行しても構いませんし、呪文と遠距離攻撃を同じラウンドに実行することもできます。素早いキャラクターならば複数回射撃することもできますが、呪文は 1ラウンドに 1回までという制約があるため同じラウンドに複数回呪文をかけることは(原則)でません。

その他の行動

その他の行動をする場合は一般的にラウンドの間はずっとそれに専念しなければなりません。例えば〈聞き耳〉や〈隠れた物を探す〉のような知覚系のスキルを戦闘中に使用したい場合には、行動宣言でそれを表明する必要があり、そのラウンドはそれ以外の行動はできません。

会話

通常の行動に加えて会話をすることができますが、1ラウンドは12秒しかないので注意が必要です。掛け声をかけたり、味方の注意を促したり、簡単な指示を出したり程度の単純な会話しかできません。


●RQ3とRQ2の処理の違い

以上が RQ2 の戦闘ラウンドの処理なのですがいかがでしょうか。RQ3 と比べて全然別物と感じたでしょうか、それともほぼ同じと感じたでしょうか。全然違うと感じた人の中には RQ3 日本語版の微妙な訳に惑わされいる人もいるかもしれません。例えば英語版の直訳で
「攻撃は単に一回の打撃ではなく、武器が使用可能になったストライクランクに始まり戦闘ラウンドの最後までの間を占める一連のもしくは組み合わせた打撃です。」
となっている部分をホビージャパンの日本語版では
「一回の攻撃はただ一度の打撃を意味するのではなく、第1打撃を行なうストライク・ランクから始まる、一連の打撃あるいはその組み合わを指します。」
と訳しています。英語版は武器を抜き終ってさえいればラウンドの最初から最後まで打撃を行っているということを伝えようとしているのですが、和訳ではいつ打撃が始まりいつ終るのかさっぱり不明な訳になっています。

RQ3 と RQ2 のストライクランク処理の大きな違いは接敵時のルールと接敵していない時のルールが別々になっているかどうかです。逆にそこ以外にはほとんど差がありません。小さな違いとしては SR が最大10に変更されたこととか、呪文は 1ラウンドに 1回までという制限が無くなったとかあります。

ルールの読み解きが得意な人は色々と納得いくものがあったかもしれません。実は RQ3 のルールは RQ2 から個々のルールを大きく変更せずに、別々になっていた接敵時のルールと接敵時以外のルールを一つに統合しようと試みたものなのです。

個人的な意見として、ルールは統一が取れていた方が良いという意味でこの二つを統合しようというのは自然な流れでデザイナーの意図は良くわかります。しかしこれはあまりうまく行かなかったようです。RQ3 のルールは自由度が高くなったりしてうまく行っている部分もあるにはあるのですが、シンプルだった接敵時の運用が重くなってしまったりとか、細かい矛盾が取り切れていなかったりとか、新たな問題が発生して一長一短な感じになっています。

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今回はストライクランクについてでした。次回は攻撃と受けについての予定です。

2016年6月8日

RQ2 紹介 - 第05回 スキル(技能)

ルーンクエストはスキル方式の RPG であり、ほとんどの行為判定はスキル判定として行ないます。スキルには戦闘で使用する攻撃スキル、受けスキル以外にも様々なものが存在しています。今回はスキルの全般的なルールについて紹介します。


●スキル

RQ2 が RQ3 や Call of Cthulhu などの  Basic Roleplay 系の RPG と大きく違うのはスキルが 1% 刻みではなく、5% 刻みになっている点です。つまり 5%, 10%, 15%... と成長して行き 17% とか 23% のような中途半端なスキル値は存在しません。ならば D100 じゃなくて、D20 判定でも良いんじゃないかと思うかもしれませんが、クリティカルやファンブルの計算は 1% 単位で行われるので、やはり D100 が必要となっています。


●基本成功率

たいていのスキルは学習や訓練をしなくてもある程度成功する可能性があり、基本成功率 05% を持っています。ただし外国語のような学習しないと使えない一部のスキルは基本成功率 00% です。逆に文化的に一般な武器などは最初からより高い 10% や 20% など基本成功率を持っている場合があります。この基本成功率に各分野のスキル修正値を足した値がキャラクター作成時のスキルの初期値になります。


●スキルの判定

スキル判定は D100 を振ってスキルの値以下が出れば成功、それより大きければ失敗です。ただしダイス目が 01-05 だった場合にはスキルの値によらず常に成功になり、ダイス目が 96-00 だった場合には必ず失敗になります。


●クリティカル命中

スキル値の 1/20 (端数切り捨て)以下が出た場合にはクリティカル命中になります。端数切り捨てなので計算は簡単でダイス目を20倍しても成功ならばクリティカルということになります。ダイス目 01 ならスキルの値によらず常にクリティカル命中になります。

余談ですが RQ2 では戦闘を中心にルールが記述されており、クリティカルは主に戦闘ルールに適用されます。そのせいで戦闘以外のスキルでもクリティカル成功ではなく「クリティカル命中(Critical Hit)」という用語が使われています。それで場所によっては「応急手当てがクリティカル命中した場合...」とか面白表現になってたりします。


●ファンブル

スキル値が 05-20%ならばダイス目の悪い方から 5% (96-00)がファンブル(Fumble)になります。スキルが20%成長するごとにファンブルの可能性が 1%づつ減っていきます。ただしダイス目が 00 の場合はスキル値によらず常にファンブルです。

計算上クリティカルの切れ目とファンブルの切れ目がズレているの、ちょっとだけ注意が必要です。まとめると以下のようになります。

スキルクリティカルファンブル
05-20 01 96-00
25-35 01 97-00
40 01-02 97-00
45-55 01-02 98-00
60 01-03 98-00
65-75 01-03 99-00
80 01-04 99-00
85-95 01-04 00
100 01-05 00

★ランタスの冒険

ランタスの〈片手剣攻撃〉のスキル値 40% です。それで彼がバスタードソードて攻撃した場合のクリティカル命中の確率は 2% (01-02)で、ファンブルの可能性は 4% (97-00)になります。


●スキルの訓練

RQ2 でスキルを成長させる方法には「訓練」と「経験」による2種類があります。いずれの場合も成長する量は固定で必ず 5% づつ成長します。

スキルの訓練を行なうにはまず師匠を見つける必要があります。スキル値が 90% 以上になれば師匠(マスター)として他人にsそのスキルを教えることができるようになります。 (アップルレーンにあれだけ有能な人々が集まっていたのは、実は師匠として訓練を提供できるようにというシステム上の理由だったり)

一般的にはギルド、組合、カルト、戦士団などの組織に所属する人々が有料で訓練を提供してくれています。一般的なスキルは部外者でもお金さえ払えば教えてもらえます。例えば〈忍び歩き(Move Quietly)〉スキルを訓練したい場合には、盗賊組合や森林協会に行ってお金を払えば訓練を受けることができます。

スキル値が 25% 以下の場合は連続して訓練を行なうことができますが、それ以後は訓練ごとに一度冒険に出て実践でスキルを使用して成功させなければ、さらなる訓練を受けることはできません。

全てのスキルは原則として 100% までしか成長させることができません。さらに実践的なスキルは訓練では 75%までしか成長させることができず、それ以後は経験によってのみ成長します。

スキルの訓練の価格はスキルが成長するに従って上昇していきますが、その価格はスキルごとにまちまちです。またスキルの訓練には 100ルナーにつき12時間(例えば1日2時間で1週間=6日間+休日)の訓練時間がかかります。訓練費用はカリスマによる値引きがあり、CHA が 12を超える1ポイントごとに訓練価格が 5% 値引きされます。価格が安くなっても訓練時間は短縮されません。

★ランタスの冒険

ランタスは最初の冒険で罠にはまったり落し穴に落ちたりで酷い目に合いました。それでお金ができるとすぐに盗賊組合を尋ねて、〈罠発見〉のスキルを訓練してくれるよう頼みました。〈罠発見〉は 5%成長させるのごとに以下のような費用と時間がかります。

成長後スキル訓練金額 訓練時間
05-25% 200ルナー 24時間(2時間×2週間)
30-50% 600ルナー 72時間(2時間×6週間)
55-75% 1000ルナー120時間(2時間×10週間)
80-100% 経験のみ

ランタスの〈罠発見〉の初期値は 10% です。これを +5% 訓練で上昇させるには普通200ルナーと24時間の訓練が必要ですが ランタスはカリスマによる 訓練価格 1割引があるため 180ルナーで訓練を受けるこができます。ランタスは3回分 540ルナーと72時間の訓練を行って 25% まで成長させました。次の 30% への訓練は価格が上がって 1割引でも 540ルナーかかりますし、まずその前に実践でスキルを使って成功させなければなりません。


●攻撃と受けの同時訓練

普段から組合わせて使用する〈攻撃〉と〈受け〉のスキルは同時に訓練することができます。そのためにはそれら両方をマスターしていて同時に訓練してくれる師匠を見つけなければなりません。師匠がいて同時に訓練した場合にはどちらか価格が高い方の訓練価格と訓練時間さえ払えば、もう片方のスキルも 5% 成長します。

★ランタスの冒険

ランタスの戦士ギルドの師匠はヒューマクトの剣士であり〈片手剣攻撃〉と〈中型盾受け〉の両方をマスターしています。それでランタスはその両方の同時訓練を受けさせてもらえます。このおかげで価格が高い方の〈片手剣攻撃〉の訓練費用の(一割引きで) 450ルナーを支払うだけで 〈片手剣攻撃〉を 40%から45%に、〈中型盾受け〉を 35% から 40% に同時成長させることができました。

●経験による成長

冒険中の緊張した場面でスキルの使用に成功した場合にはスキルにチェックをつけておきます。そのシナリオ終了後に 1週間程度の休息を取って経験について考察する時間が取れれば、経験によるスキルの成長を試みることができます。

D100 で (100 - 現在のスキル値) 以下をロールすることに成功すればスキルが 5%成長します。RQ3 ではスキルの値以上の大きな出目を振ると成長という逆ロールでしたが、RQ2 は通常の小さな出目の方を出すルールなのでちょっと違っていますが確率は同じです。

成長ロールには INT が 12 を越える 1ポイントごとに成長の可能性に +3% のボーナスがあります。逆に INT が 9 に足りない 1ポイントごとに -3% のペナルティを受けます。それとは別にスキルが 90% を超えているような場合でも成長の可能性はどんなに悪くても INT %以上が保証されます。

成長ロールに成功した場合には常に 5% 成長します。ただし経験による成長でも原則としてスキルは 100% までしか成長させることができません。スキルを 100% を超えて成長させるためにはルーンロードになる必要があります。

★ランタスの冒険

ランタスの最初の冒険は散々でしたが、二度目の冒険では首尾良くトロウキンを 1体仕留めて〈片手剣攻撃〉に経験チェックを得ることができました。彼の〈片手剣攻撃〉は現在 45% なので、100 - 45 で 55% に INT 15 による +9% のボーナスを加えた 64% が成長の可能性になります。ランタスは 43 をロールして成功し、彼の攻撃スキルは 50% に成長しました。


●スキルの一覧

RQ2 には固定されたスキルの一覧のようなものは存在しません。デザイナーの意図ではキャンペーンの内容やキャラクターの必要に応じて、レフリーとプレイヤーはスキルは自由に作成して追加して欲しいということのようです。またサプリメントでも、どんどんと新しいスキルが追加されており、 Cults of Prax と Cults of Terror だけでも40個の新しいスキルが追加されています。

例えば RQ3 で PC に人気のある〈応急手当(First Aid)〉は治癒の女神チャラーナ・アローイのカルトスキル、〈言いくるめ(First Talk)〉は盗賊神ランブリルのカルトスキルとして導入されています。

ここでは基本ルールブックに記載されている主なスキルだけ紹介します。主なと書いたのは基本ルーブブックにも〈楽器演奏(Play Instruments)〉とか〈帆走(Sailing)〉などのスキルは名前だけ挙げられていて、PC は普段は使いそうにないので内容省略、もし必要なら中身はレフリーが考えてくれとなっているようなスキルものもあるからです。


●戦闘スキル

戦士ギルドや傭兵団などでは以下のような〈攻撃〉および〈受け〉スキルを教えもらえます。一つのところで全てのスキルを教えてもらえるわけではなく、傭兵団やギルドごとに得意ないくつかのスキルがあり、それについての訓練を提供してくれます。

[片手武器] 基本 提供
拳(Fist)攻撃/受け 25% 戦士ギルド/傭兵団
蹴り(Kick)攻撃/受け 25% 戦士ギルド/傭兵団
頭突き(Butt)攻撃/受け 10% 戦士ギルド/傭兵団
挌闘(Grapple)攻撃/受け 25% 戦士ギルド/傭兵団
ダガー(Dagger)攻撃/受け 25% 戦士ギルド/傭兵団
ショートソード(Shortsword)攻撃/受け 15% 戦士ギルド/傭兵団
鎌(Sickle)攻撃/受け 15% 戦士ギルド/傭兵団
レイピア(Rapier)攻撃/受け 05% 戦士ギルド/傭兵団
片手剣(1H-Sword)攻撃/受け 10% 戦士ギルド/傭兵団
片手斧(1H-Axe)攻撃/受け 20% 戦士ギルド/傭兵団
片手メイス(1H-Mace)攻撃/受け 25% 戦士ギルド/傭兵団
片手ハンマー(1H-Hammer)攻撃/受け 20% 戦士ギルド/傭兵団
モーニングター(Morning Star)攻撃/受け05% 戦士ギルド/傭兵団
片手フレイル(1H-Flail)攻撃/受け 15% 戦士ギルド/傭兵団
片手槍(1H-Spear)攻撃/受け 10% 戦士ギルド/傭兵団
 
[両手武器] 基本 提供
両手剣(2H-Sword) 攻撃/受け 05% 戦士ギルド/傭兵団
両手斧(2H-Axe)攻撃/受け 15% 戦士ギルド/傭兵団
両手ハンマー(2H-Hammer)攻撃/受け 05% 戦士ギルド/傭兵団
モール(Maul)攻撃/受け 20% 戦士ギルド/傭兵団
両手フレイル(2H-Flail)攻撃/受け 05% 戦士ギルド/傭兵団
両手槍(2H-Spear)攻撃/受け 20% 戦士ギルド/傭兵団
パイク(Pike)攻撃/受け 10% 戦士ギルド/傭兵団
 
[盾] 基本 提供
小型盾(Small Shield)攻撃/受け 05%/05%戦士ギルド/傭兵団
中型盾(Medium Shield)攻撃/受け 10%/05%戦士ギルド/傭兵団
大型盾(Large Shield)攻撃/受け 20%/05%戦士ギルド/傭兵団
 
[射出武器] 基本 提供
スリング(Sling)攻撃 10% 戦士ギルド/傭兵団
スタッフスリング(Staff Sling)攻撃 05% 戦士ギルド/傭兵団
弓(Bow)攻撃 10% 戦士ギルド/傭兵団
クロスボウ(Crossbow)攻撃 20% 戦士ギルド/傭兵団
 
[投擲武器] 基本 提供
石投げ(Rock)攻撃 25% 戦士ギルド/傭兵団
投げダガー(Throwing Dagger)攻撃 15% 戦士ギルド/傭兵団
投げ斧(Throwing Axe)攻撃 10% 戦士ギルド/傭兵団
ジャベリン(Javelin)攻撃 15% 戦士ギルド/傭兵団


●戦闘以外のスキル

戦闘以外のスキルは以下のように、それぞれのギルドや組合から(有料で)教えてもらえます。スキルによっては複数のギルドから教えてもらえるものもあります。

[操作スキル] 基本提供
登攀(Climing) 15% 盗賊組合/森林協会/芸人ギルド
物を隠す(Hide Item) 10% 盗賊組合/芸人ギルド
ジャンプ(Jumping) 15% 盗賊組合/芸人ギルド
錠開け(Lock picking) 05% 盗賊組合
地図作成(Map Making) 10% 賢者協会
罠設置/解除(Trap Set/Disarm) 05% 盗賊組合/森林協会
鎧製作(Armor Making) 00% 武具師ギルド
武器製作(Weapon Making) 00% 武具師ギルド
盾製作(Shield Making) 00% 武具師ギルド
騎乗(Riding) 05% 馬匠ギルド
水泳(Swimming) 15% 水運協会
 
[知覚スキル] 基本提供
聞き耳(Listen) 25% 盗賊組合/芸人ギルド
隠れた物発見(Spot Hidden Items)05% 盗賊組合
罠発見(Spot Trap) 05% 盗賊組合
味分析(Taste Analysis) 00% 盗賊組合
追跡(Track) 10% 森林協会
 
[隠密スキル] 基本提供
偽装(Camouflage) 10% 盗賊組合/森林協会/芸人ギルド
物影に隱れる(Hide in Cover) 05% 盗賊組合/森林協会/芸人ギルド
忍び歩き(Move Quietly) 05% 盗賊組合/森林協会/芸人ギルド
掏摸(Pick Pockets) 05% 盗賊組合/芸人ギルド
 
[知識スキル] 基本提供
宝物鑑定(Evaluate Treasure) 05% 賢者協会
自国語読書き(Read/Write Own) 10% 賢者協会
外国語読書き(Read/Write Other) 00% 賢者協会
外国語会話(Speak Other) 00% 賢者協会
 
[交渉スキル] 基本提供
雄弁(Oratory) 05% 賢者協会/芸人ギルド


●錬金術(アルケミスト)能力

錬金術(アルケミスト)能力はは通常のスキルとは違う特別な能力ですがスキルと同じように錬金術師ギルドから学ぶことができます。半分化学的で半分魔法的なこの能力は治癒薬(ヒーリングポーション)や解毒剤(アンディドーテ)や刃毒(ブレードヴェノム)などの薬品を作成したり、飲むと特定の呪文が使用できる呪文薬(スペル・ポーション)を作成したりすることができます。

この能力はスキルのようなパーセント表示ではなく、作成できる最高の薬品のポイント数で示されます。例えば〈治癒薬作成 5〉ならば最高5ポイントの治癒薬(ヒーリングポーション)が作成できます。

細かいルールは省略しますが錬金術師ギルドから入手可能な薬品には以下のようなものがあります。

  • 酸(Acid)
  • 解毒剤(Antidotes)
  • 刃毒(Blade Venom)
  • 全身毒(Systemic Poison)
  • 戦闘呪文薬(Battle Magic Potion)
  • 治癒薬(Healing)
  • 魔力回復薬(Power Restoring)

主に NPC 用の能力ですが、錬金術師ギルドに加入すれば PC も学ぶことができ、材料費が結構かかるものの完成品を買うよりは安くポーションが入手可能になります。治癒薬はもちろん解毒剤とか魔力回復薬とかも便利なので余裕があった学んでみるのも良いかもしれません。

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とりあえず、今回はこんなところで。次回から戦闘関係のルールを紹介する予定です。


2016年6月4日

RQ2 紹介 - 第03回 キャラクター作成 (属性値とスキル修正値)

今回はキャラクター作成の続きで能力値から算出されるの属性値とスキル修正値について説明します。


●ヒットポイント(Hit Point)

まず最重要のヒットポイント(HP)ですが、RQ2 のヒットポイントは CON がベースになっており以下の表の修正値が適用されます。

1-45-89-1213-1617-20+4 each
SIZ-2-1
+1+2+1
POW-1+1+1

見てもらうと分るように HP への SIZ の影響が RQ3 の半分になっています。あとは POW による修正が存在するあたりが独特でしょうか。このため RQ2 ではトロウルはもちろん、巨人のような巨大生物でも HP はそんなに高くなりません。ドラゴンでさえ HP 20 前後なのが普通です。逆にダックやトロウルキンなどの小型生物でも高めの HP を持っています。

★ランタスの冒険

ランタスの CON は 10 です。これに SIZ 15 による +1 を加えて総合HP は 11 になります。可もなく不可もなくといった、とても平凡な値です。

●部位ヒットポイント

総合HPより身体の命中部位(Hit Location)ごとの HP は以下の表により決まります。

総合HP1-67-910-1213-1516-1819-21+3 each
各脚 2 3 4 5 6 7 +1
腹 2 3 4 5 6 7 +1
胸 3 4 5 6 7 8 +1
各腕 1 2 3 4 5 6 +1
頭 2 3 4 5 6 7 +1

総合 HP が 3ポイント増えるごとに部位HPが 1ポイント増える計算になっています。人間の範囲だと RQ3 と比べて大きな差はありませんが、大きな HP 持つ生物の場合には各部位の HP は RQ3 より大き目になります。

★ランタスの冒険

ランタスの総合HPは 11 なので、頭 HP 4、胸 HP 5、腹 HP 4、それぞれの腕が HP 3、それぞれの脚が HP 4 になります。

●追加ダメージ

近接攻撃の追加ダメージは以下の表で計算します。平均の端数は切り上げです。端数切り捨てとした場合は RQ3 と同じ値になるので微妙な差があります。

STRとSIZの平均1-6 7-1213-1617-20+8 each
追加ダメージ -1D4+1D4 +1D6 +1D6

★ランタスの冒険

ランタスは STR 17、SIZ 15 なので平均値 16、+1D4 のダメージ修正を持つことになります。SIZ がもう少し大きければ +1D6 を持てたのですが。

●移動クラス(Movement Class)

この値は種族ごとに固定で人間なら 8 です。1ラウンド(12秒)に移動できる距離は移動クラスの3倍メートル、人間なら24メートルになります。脇目も振らず全力疾走すればこの値の2倍の速度で移動することができます。

★ランタスの冒険

ランラスは人間なので移動クラスは 8 です。

●荷重最大値(Max Encumbrance)

持ち運べる最大荷重は「STR」と「STR と CON の平均値」のどちらか低い方になります。重い鎧を着込みたい場合や大きな武器や盾を持ちたい場合には非常に重要な値です。あと発見した財宝を全部持って帰りたい場合にも!

★ランタスの冒険

ランタスの筋力は STR 17 と非常に高いのですが、持久力が CON 10 とそれほど高くないため荷重最大値は 14 になります。でもこの値ならばかなり重い鎧まで着ることができそうです。

●ストライク・ランク(Strike Rank)

能力値によるストライク・ランクは以下のようになっています。詳細は戦闘の説明の時にする予定です。DEX と SIZ でスレショルドが違うの注意してください。

DEX SR
19+ 0
16-181
13-152
9-12 3
6-8 4
1-5 5

SIZ SR
22+ 0
15-211
7-14 2
1-6 3

★ランタスの冒険

ランタスは DEX 13 なので DEX SR は 2、SIZ 15 なので SIZ SR は 1 になります。どちらもそこそこ良い値です。

●成長ロール修正値

経験によるスキル成長ロールには INT による修正があります。記憶力や理解力が高ければ成長も早いということです。そこまで大きな修正ではないのですが、塵も積もればということで長期的にはけっこうな違いが出てきます。

INT ...7 8 9-1213 14 15 16 17 18 ...
修正...-6%-3%0% +3%+6%+9%+12%+15%+18%...

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 なので、経験による成長ロールごとに +9% のボーナスを得ることができます。

●訓練価格への修正

CHA が高い魅力的な人物は訓練の価格を割引きしてもらえます。影響があるのは価格だけで訓練時間を短縮することはできません。結構大きな値引きがもらえますが、CHA が低かったからといって特にペナルティはありません。

CHA 0-1213 14 15 16 17 18 ...
修正0% +5%+10%+15%+20%+25%+30%...

★ランタスの冒険

ランタスは CHA 14 とそこそこ高いので、1割引きで訓練を受けることができます。常に金欠のランタスにはとても嬉しい値引きです。

●防御(Defense)値

この防御値は RQ2 独特の特殊な属性値でスキルのようにパーセントで表現されますが、直接ロールすることはなく、この値を相手の攻撃スキルから引くことができます。相手が複数回攻撃して来る場合や複数の相手がいる場合は、この値をそれぞれの攻撃に分割して適用することもできます。毎回引き算が必要になるの面倒なのですが RQ2 のスキルは 5% 単位なので、そこまで大変ではありません。ディフェンスの初期値は以下の表より計算します。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
SIZ+5%


-5% -5%
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW-5%


+5% +5%
DEX-10%-5% +5% +10%+5%

INT と DEX が重要です。逆に SIZ 17 以上だとペナルティを受けるので要注意です。RQ2 には〈回避(dodge)〉スキルが存在しないかわりに、この防御値が存在してます。RQ3 の〈回避〉と違って〈受け〉や〈攻撃〉をしながら使用できるので意外と強力です。防御値は経験のみよって成長します。そのためゼロだと成長できないので最低でも+05% になるようにするのが重要です。

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 により +5%、DEX 13 により +5%、合計で 10% の防御値を持って開始できます。常に相手の攻撃命中率を 10% 減らせるというのは大きなアドバンテージです。

●攻撃(Attack)スキル修正値

攻撃スキルへの修正値は以下のようになっています。近接/遠隔を問わず全ての攻撃スキルに適用されます。DEX と INT が重要な能力値となります。RQ2 ではスキルは 5% 刻みなので修正値も 5% 単位になっています。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
STR-5%


+5% +5%
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW-5%


+5% +5%
DEX-10%-5% +5% +10%+5%

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 で +5%、DEX 13 で +5%、さらにとても高い STR 17により +5%、合計で +15% の攻撃スキル修正になります。彼の〈片手剣攻撃〉の初期値は基本値の 10% にこの修正の +15% を加えて 25% になります。

●受け(Parry)スキル修正値

盾や武器などの受けスキルへのスキル修正値は以下のように計算します。DEX が特に重要です。逆に SIZ が 17 以上だとマイナス修正があるので要注意です。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
STR-5%


+5% +5%
SIZ+5%


-5% -5%
POW-5%


+5% +5%
DEX-10%-5% +5% +10%+5%

★ランタスの冒険

ランタスは DEX 13 により +5%、高い STR 17 により +5%、合計で +10% の受けスキル修正を持ちます。彼の〈中型盾受け〉の初期値は基本値の 10%にこの修正の +10% を加えて 20%になります。

●知覚(Perception)スキル修正値

〈聞き耳(Listen)〉や〈罠発見(Spot Trap)〉や〈追跡(Track)〉などの知覚系スキルへの修正は以下のようになります。INT が重要です。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW-5% +5% +5%

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 により +5% の知覚スキル修正値を持ちます。それで彼の〈隠れた物発見(Spot Hidden Item)〉の初期値は基本値の 05% にこの修正の +5% を加えて 10% になります。

●隠密(Stealth)スキル修正値

〈隱れ身(Hide in Cover)〉や〈掏摸(Pick Pocket)〉などの隠密系スキルの修正値は以下の表ようになります。INT と DEX が重要です。 SIZ 13 以上でペナルティがあるので大柄なキャラクターには向いていません。また POW がとても高いキャラクターも目立ってしまいます。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
SIZ+10% +5%
-5% -10% -5%
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW+5%


+5% -5%
DEX-10%-5% +5% +10%+5%

★ランタスの冒険

ランタスは DEX 13 により +5%、INT 15 により +5% の修正がありますが、一方で SIZ 15 により -5% の修正を受けるため合計で +5% です。彼の〈物陰の隠れる(Hide in Cover)〉の初期値は基本値の 05% にこの修正の +5% を加えて 10% になります。

●操作(Manipulation)スキル修正値

これは〈錠開け(Lock Picking)〉や〈武器製作(Weapon Making)〉などの手先系スキルへの修正値ですが、RQ2 には運動(Agility)スキル修正が存在しないため、〈ジャンプ(Jumping)〉や〈乗馬(Riding)〉のような RQ3 の運動系に相当するスキルもこの修正値を使用います。値は攻撃スキルへの修正と同じになります。

★ランタスの冒険

ランタスの操作スキル修正値は攻撃スキル修正値と同じく +15% です。彼の<ジャンプ〉の初期値は基本値の 15% にこの修正 +15% を加えて 30% になります。

●知識(Knowledge)スキル修正値

〈宝物鑑定(Evaluate Treasure)〉や〈会話(Speak Language)〉などの知識系のスキルの修正値は以下の表で計算します。実は知覚スキル修正値と全く同じだったりします。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW-5% +5% +5%

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 により +5% の知識スキル修正値を持ちます。〈(外国語)会話〉の基本値は 00% なので、外国語は学ぶまではこの知識スキル修正値を足すことはできません。〈宝物鑑定〉は基本値 05% なのでこの修正を足したて 10% で開始できます。

●交渉(Commnunicate)スキル修正値

基本ルールブックの範囲で「交渉スキル修正値」という用語は使用されておらず、〈雄弁(Oratory)〉スキル専用の特殊な修正値の扱いになっています。そ後のサプリメントで導入された交渉系のスキルも〈雄弁〉と同じこの修正を使うものが存在しています。そのためこの修正値は雄弁スキル修正値と呼ばれることもあります。INT と CHA が重要です。

1-4 5-8 9-1213-1617-20+4 each
INT-10%-5%
+5% +10%+5%
POW-5%


+5% +5%
CHA-10%-5% +5% +10%+5%

★ランタスの冒険

ランタスは INT 15 で +5%、CHA 14 で +5% 合計で +10% の修正値になります。〈雄弁〉の基本値は 05% なので、彼は 〈雄弁〉 15% から始めることができます。


★ランタスの冒険

ランタスの主な能力とスキルをまとめる以下のようになります。弱い? そうですね RQ2 の作成直後の初期キャラクターはいわゆるレベル 1 状態でとても弱いです。

能力値
STR 17, CON 10, SIZ 15, INT 15, POW 11, DEX 13, CHA 14

属性値
HP: 11 (頭4、右腕3、左腕3、胸5、腹4、右脚3、左脚3)
追加ダメージ: +1D4
移動クラス:  8
荷重最大値: 14
DEX SR:  2
SIZ SR:  1
成長修正: +9%
訓練値引き: -10%
防御値: 10%

攻撃スキル修正値 +15%
  片手剣攻撃 25%, 両手槍攻撃 30%, 弓攻撃 25%, ダガー攻撃 40%

受けスキル修正値 +10%
  大型盾受け 30%, 中型盾受け 20%, 両手槍受け 25%

知覚スキル修正値 +5%
  聞き耳 30%, 隱れた物発見 10%, 罠発見 10%, 追跡 15%

隠密スキル修正値 +5%
  偽装 15%, 物陰に隱れる 10%, 忍び歩き 10%, 掏摸 10%

操作スキル修正値 +15%
  登攀 30%, 物を隠す 25%, ジャンプ 30%, 錠開け 20%, 罠設置 20%, 乗馬 20%

知識スキル修正値 +5%
  宝物鑑定 10%, 自国語読み書き 15%

交渉スキル修正値 +10%
  雄弁 15%

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今回は以上です。RQ3を遊んだことがある人にはそれほど戸惑う部分はいと思います。独特なのは防御値(Defense)くらいでしょうか。

2016年6月2日

RQ2 紹介 - 第02回 キャラクター作成 (能力値)

今回から具体的な RQ2 のルールについて解説して行きたいと思います。単にルールを説明するだけでなく、RQ3 と相違点を挙げてみたり、個人的な独断と偏見による意見やアドバイスとかを盛り込んだりしたいと考えています。いろいろと異論とかあると思うので御意見いただけると助かります。


●能力値(Characteristic)

まずは RQ2 の能力値ですが、以下のようになっています。

Strength(STR):筋力3D6
Constitution(CON):体力3D6
Size(SIZ):サイズ3D6
Intelligence(INT):知力3D6
Power(POW):パワー3D6
Dexterity(DEX):敏捷3D6
Charisma(CHA):カリスマ3D6

RQ3 との大きな違いは外見(APP)のかわりにカリスマ(CHA)になっている点です。クトゥルフとかも外見(APP)なのですが、RuneQuest については Mongoose版などの新しい版も含めて RQ3 以外は全てカリスマになっています。個人的にもファンタジー世界においては単なる外見よりも人間的な魅力やリーダーシップを表すカリスマの方が使い安くて便利だと思っています。

もう一つの大きな違いは知力(INT)やサイズ(SIZ)も含めて全ての人間の能力値が 3D6 となっている点です。Basic Roleplay 系に馴れていると感覚的に戸惑う部分なので注意が必要です。SIZ 10 は小柄ではありませんし、INT 12 平均より少し頭が良いキャラクターになります。


●能力値の決め方(オプション)

基本的に能力値の決定は 3D6ダイス一回振りなのですが、それではさすがに運まかせ過ぎで非常に弱いキャラクターができたりします。RQ2 のルールブックにおいても冒険中の事件でキャラクターが死んだりするのは仕方ないとしても、単に能力値が足りないだけで死んでしまうのでは面白くないので、プレイヤーキャラクターはある程度有能にするよう指摘しています。そのための方法として以下のような別の能力値の決め方が挙げられています。どれを組合わせて使用するかレフリー(ゲームマスター)が適宜選択ください。

オプション(1): 能力値の平均がレフリーが決定した値(9-12)以下だったら全部を振り直す。

オプション(2): 6以下の能力値がある場合や、16以上の能力値が一つもない場合には振り直す。

オプション(3): D20 や 2D10 で能力値を決定する。

オプション(4): 全ての能力値を 2D6+6 で決定する。

オプション(5): 全ての能力値をまず 8 とし、そこにレフリーが決定した数値分(最低でも20ポイント)を割り振る。

オプション(6): 他の方法でダイスを振ったり好きな値にしたりする。


★ランタス(Rantus)の冒険

ルールを紹介するのにサンプル・キャラクターで紹介するというのは今でも良く行われる手法ですが、RQ2 でも“ルーン槍”のルーリク(Rurik Runespear)というキャラクターが登場しています。彼は成長してイェルマリオのルーンロードになり、さらに最近の本ではアーグラスの仲間の一人として英雄になっています。

このルール紹介でも例示があった方が分かり易いかもしれないということ“銀の腕の”ランタス(Rantus Silverarm)というキャラクターに登場してもらいたいと思います。

できれば有能なキャラクターを作成したいということで、ランタスのプレイヤーはオプション(4)を採用し、ランタスの能力値は全て 2D6+6で決定することにしました。

STR 17素晴しい! いきなり 6, 5 を振って 17 です。幸先が良い感じです。彼は有能な戦士になりそうです。
CON 10残念なことに次に振ったのは 2, 2。通常の作成方法ならば平均値なので、特に悪いわけではないですが毒や病気には注意が必要そうです。
SIZ 15身体の大きさでは 5, 4 を振りました。彼は立派な体格をしています。
INT 15ダイス目は 6, 3 です。良い調子です。ランタスはなかなかの知恵者のようです。
POW 11ダイス目は 4, 1、少しもの足りませんが、きっと彼の魂はまだ鍛えられる前なのです。
DEX 13ダイス目は 5, 2、まずまず問題ありません。この値ならば全ての武器を扱えるはずです。
CHA 14最後のダイス目は 4, 4、彼はそこそこ魅力的な人物のようです。今後の活躍が期待されます。

●能力値ロール

各能力値はヒットポイントのような属性値の計算したりスキルへの修正値を決めるだけでなく直接判定に使用することもあります。戦闘ルールやスキルでカバーされていな事柄を判定する場合には D100 で適切な能力値の 5倍以下を出すことにより成功/失敗を判定します。状況が困難な場合には倍率が 1倍〜4倍と下がる場合もあります。能力値ロールは成功率にかかわらず 01-05 なら常に成功で、96-00は常に失敗です。

また相手の能力値と比べて優劣を競う場合には、能力値どうしの対抗ロールを行います。これは能力値が同じならば成功率 50%ととし、能力値が 1ポイント上まわるごとに +5%、1ポイント下まわるごとに -5% の変動します。この場合も 01-05 なら常に成功で、96-00は常に失敗です。

STR: 重いものを動かしたりする判定に使用します。腕相撲などの判定も STR どうしの対抗ロールで判定できます。

CON: 痛みに耐える場合などに使用します。また毒や病気に対する対抗ロールとして使用します。RuneQuest の毒や病気は凶悪なので重要です(CON低いとまじで死ねます)。

INT: 知識や発想を判定するために使用します。知識スキルを持っていない場合に代用とし使うので利用機会はそれなりに多いです。

DEX: スキルでカバーされない運動など行うのに使用します。RQ2 には回避スキルがないので何かを避けるのはDEXロールで判定します(重要)。

POW: キャラクターと神々とのつながり表しているため幸運(luck)判定として使用します。また呪文が対象にかかったどうかを判定するために POW どうしの対抗ロールで判定します。

CHA: 対人の印象を決める場合には CHA ロールを使います。異種族に対する判定の場合には -10 の修正を受けます。ダックに馬鹿にされたり、トロウルにいきなり食べられたりしたくない場合にも大きい方が良いでしょう(笑)。

★ランタス(Rantus)の冒険

ランタスが洞窟を探索している時、レフリーは彼の足元に落とし穴がありそれを運よく避けることができるかどうか幸運判定するよう要求しました。ランタスの POW は 11 なので幸運ロールの成功率はその5倍に 55% です。ダイス目は 72、彼は落とし穴に落ちて腰を打ってしまいました(腹部に 3ダメージ)。

仲間の手助けにより何とか落とし穴を抜け出したランタスは、近くにあった大きな岩を動かして危険な落とし穴を塞ぐことにしました。レフリーは岩はとても重い(SIZ 12)ためランタスの STR 17 で対抗ロールするよう要求しました。成功率は 50 + (17 - 12)×5 で 75% になります。ダイス目は 23、ランタスは怪力をいかんなく発揮して穴を塞ぐことに成功しました。


●能力値の訓練と上限

能力値には訓練や経験で簡単に上昇するものと上昇しないものがあります。能力値の種族上限は(ロールの最大値+ダイスの数)です。能力値に +3 とか +6 とかの補正を持つ種族の場合はその補正値をダイス1個分と数えます。

筋力(STR): 1ポイントあたり1000ルナー(120時間)のの訓練で上昇します。STR, CON, SIZ の初期値のうち最も大きいものが上限になります。

体力(CON): 1ポイントあたり2000ルナー(240時間)の訓練により上昇します。STR, CON, SIZ の初期値のうち最も大きいものが上限になります。

サイズ(SIZ): 訓練や経験で成長させることはできません。

知力(INT): 訓練や経験で成長させることはできません。

パワー(POW): 訓練では成長できませんが経験により成長します。種族上限値(人間なら 21)まで成長させることができます。

敏捷(DEX): 1ポイントあたり1000ルナー(120時間)の訓練で上昇します。上限は初期値の1.5倍もしくは種族上限値(人間なら21)のうち低い方になります。

カリスマ(CHA): 訓練や経験でなく原則としてレフリーの判断(気紛れ)で上下します。一般的に冒険で名声を得たりスキルが成長したりしてリーダーとして相応しい人物になった時に上昇します。

能力値の訓練の費用がかなり安いので(武器の訓練や呪文を1つ覚えるのと同じくらい)、成長について最初から見込んでおくこともできます。他にも冒険で入手できる財宝の中に能力値を上げてくれる秘密の巻物とかあったります。逆に RQ2 では能力値が上昇が簡単過ぎるのが問題にされることがあるので、そのような場合は付録に能力値の訓練を難くするオプションルールがあるのでそちら採用を検討ください。


★ランタス(Rantus)の冒険

もしランタスがベテランになって十分に成長した場合には能力値は以下の値まで成長する可能性があります。

STR 17  ……CON, STR, SIZの最大値なのでこれ以上成長できません
CON 17  ……STR と同じ値まで訓練できます
SIZ 15  ……既に成人しているので SIZ は成長しませんん
INT 15  ……INT も成長しません
POW 21  ……経験により人間の上限まで成長させることができます
DEX 19  ……初期値の 1.5 まで訓練することができます
CHA 21  ……人間の上限まで成長させることができます

さすがに CHA 21 は高名な英雄にでもならない限り難しいでしょうが、その他の能力値は幸運に恵まれて長生きして経験と訓練を重ねれば十分可能です。


●能力値についてのアドバイス的なもの(その1)

割り振り方式を採用するなど初期能力値についてある程度選択肢がある場合には、属性値やスキル修正値を計算してきっちり調整するのが有利なのですが、ここではもう少しアバウトなアドバイスなどを書いておきます。

最初に考えるべきは、そのキャラクターがパーティ内でどのような役割を担うかを他のプレイヤーと相談することです。RuneQuest はスキル制の RPG なので D&D のような明確なクラス分けは存在せず、全員が武器を振るったり呪文を唱えたりできるのですが、やはり前衛の壁担当とか後衛の回復担当とかの役割分担を行った方がパーティ全体として強くなります。おおまかに分類すると以下のようになります。

まず前に立つ「重戦士」が非常に重要です。特に戦闘スキルの低い最初のうちは生き残れるかどうか鎧の厚さにかかっています。前衛となる壁がいなければ一気に崩壊することが珍しくありません。人数が少なければ全員が重戦士でも良いくらいです。重戦士にとって重要な能力値は STR と SIZ と CON です。これによって荷重の上限、すなわち着れる鎧の上限が決まり、ヒットポイントやダメージボーナスなどの戦闘力もこれらの能力値によって決まります。

次に速度と手数重視の「軽戦士」が考えられます。相手より先に攻撃するのに重要なのは DEX と SIZ です。どちらもストライクランクに関する重要なな値です。場合によっては両手武器や槍のような長い武器を持たせるのも有効です。軽戦士は高い DEX を生かすために射撃武器も担当するのが好ましです。状況により前に出ざる得ないことも多いので軽戦士といえでもできるだけ良い鎧を着ましょう。

スキル重視の「盗賊」系キャラクターを作成する場合に重要となるのは DEX と INT です。どちらもスキル修正値に大きく影響します。特に INT は経験によるスキルの成長にも影響するので重要です。あと CHA も高ければスキルの訓練費用が値引きしてもらえるのでお得です。逆に SIZ が高いと隱れたり身を躱したりすのにペナルティなるので、これだけはあまり高くない方が好ましいです。金属鎧は音を立てて忍び歩きなどの邪魔になるので着ないが普通です。

呪文の重視の「魔術」系キャラクターならば必要なのは INT と POWです。INT で記憶できる呪文の数が、POW で呪文の使用回数が決まります。特に POW は相手の呪文抵抗を打ち破るのに必要になります。呪縛できる精霊の最大数が CHA で決まるので将来を考えれば CHA も欲しところです。初期は(お金無くて)ほとんど呪文が覚えられないので他の役 割も兼任出来た方が良いでしょう。


●能力値についてのアドバイス的なもの(その2)

長期のキャンペーンを前提にするのならば成長を考えてもう少し別の検討も必要になってきます(序盤を生き残ることができればという条件付きですが)。

まず INT は普通の方法では成長させることができないので最初からそれなりに高い値を持っている必要があります。後半になるとスキルの成長速度が INT に依存しますので何より重要になります。

STR, CON の上限は STR, CON, SIZ の三つの能力値のうちの最大のものなので、この中のどれか一つは大きな値が欲しいです。あえて言えば SIZ は成長できないので SIZ が大きいのが望ましいです。

DEX は初期値 14 あれば人間の上限の 21 まで成長できます。初期値 11 でも 16 までは成長できるの最初からそこまで高い必要はありませんが、あまりにも低過ぎるのは避けましょう。

POW は一番成長させやすい能力値なので、時間をかけて成長させるつもりならば最初は低くても問題はないと言えます。一方でさすがに低過ぎると敵の呪文にかかり易くなり、とても危険なことは覚えておいてください。それとルーンロードやルーン司祭への昇進条件に POW がありますので、他人より早く上の位階に就きたい場合には最初から POW が高いほど有利です。

CHA はレフリー次第ですが、一般にはキャンペーンを続けていれば自然に上がって行きます。最初はぱっとしないキャラクターが英雄的なリーダーに成長して行く過程を楽しむという意味では最初から高くなくても大丈夫でしょう。


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以上、能力値の説明だけで色々と書き過ぎた気がします。「APP のかわりに CHA を使います。能力値は全部 3D6 です」だけでも良かった気もしますが書いてしまったものは仕方ありません。読む方も疲れると思うので次回からはもう少しだけ押さえて行こうかと思います。

2016年6月1日

RQ2 紹介 - 第01回 はじめに

すごーく今さらな気もしますが一部で需要がありそうなので「RuneQuest 第2版」のルール紹介記事を連載しようかと思います。30年以上前に発売された古いゲームで、RuneQuest 第3版の発売以後、遊ぶ機会も少なくなり色々とうろ覚えだったりする部分もあって間違ったりするかもしれませんが、一部でも参考になれば幸いです。(細かい点などはルールブックを確認ください)




●今回の記事の背景

最近 RuneQuest 2版が予想外のちょっとした盛り上りを見せいます。そのきっかけとなったのは Chaosium社から RuneQuest Classic としてルールが再版されたことにあります。今まではそもそもルールブック自体が入手困難で興味がある人がいたとしても手に入れようがないとういう状況が長く続いていたのですが、この再版により容易に入手可能になりました。再版されたといって物理本は今のところ配送待ちでまだ私の手元に届いていませんが、PDF版ならばすぐにでも Chaosium のウェブサイトや DriveThruRPG から入手可能になっています。

さらには Chaosium社が今年後半に発売予定とアナウンスしている新しい版の RuneQuest は RQ2 をベースに開発中と発表したことにより、俄然 RQ2に注目が集っています。こちらも非常に楽しみなのですが、待ち切れない人は予習的に RQ2 を遊んでみるのも面白いかもしれせん。

今回は第01回ということで、個々のルールの解説に入る前に全体的な特徴や版の違いについて簡単に説明したいと思います。


●RuneQuest 2版の特徴

RuneQuest 第2版の特徴ですか、個人的な偏見も入りますが以下のような点が挙げられるかと思います。

グローランサ: なんと言っても背景世界がグローランサ(Glorantha)です。RuneQuest の第3版以降は汎用ファンタジーとして特定の世界を対象にしていないのですが、RQ2 の背景世界としてはグローランサ専用になっています。このおかげでルールがシンプルで世界観にマッチしています。

柔軟: 古いと言いながらもクラス無しのスキルパーセント制、経験や訓練による任意のスキルの成長、自由な呪文取得、クリティカルとファンブルなどなど RQ3 やクトゥルフなど他の Basic Roleplay 系列の基礎となる要素は全て入っているので、(その当時のゲームとしては)とても柔軟なキャラクターを作成して遊ぶことができます。

軽い: ルーンクエストといえば重いゲームの代名詞のように思っている人もいるみたいですが RQ2 は RQ3 はもちろん他の多くのRPG と比べてもそこそこ軽いゲームです。ルールブックもたったの 128ページしかありません。RQ'90 とかを読むと、この人たちが本当に作りたかったのは RQ2 なんだろうなとか感じたりします。

古い: 今の人たちには全体的に古い感じがすると思います。編集が洗練されいなくて説明文があっちこっちに散らばっていたり、遊び方の面でも先行の D&D を意識したダンジョンに行ってモンスターを倒して財宝を持ち帰るのがメインだったり、致死率が比較的高かったりとか。

そもそもマジックポイント(MP)とかゲームマスター(GM)などの、今では当り前な用語が使用されるようになる以前の黎明期のロールプレイング・ゲームなので色々と気になる人がいるかもしれませんが古いゲームなので勘弁してもらうしかありません。ちなみにゲームマスターのことはレフリー(審判)と呼んでいました。


●RuneQuest 第1版

第2版があるのならば、その前に第1版があるだろうということで、まずは RuneQuest 第1版について簡単に説明します。1978年というから今から38年前! に最初の RuneQuest が発売されました。内容的には RQ1 と RQ2 は基本的なルール部分には違いはほとんど無く説明文までほぼ同じです。RQ1 のテーブル類を差し替えたり、色々な追加ルールを加えた完全版が RQ2 といった感じです(あとの方で簡単に違いをまとめます)。


表紙的にも RQ1 と RQ2 はよく似ていて一見区別がつきませんが、この写真のような赤と茶色の二色刷りの表紙のものが RQ1 です。

RQ1 はそれほど多く印刷されなかったらしく一時期は eBay とかでかなりのプレミアがついたりしましたが、今回の再版に合わせて RQ1 もスキャンされた PDF版が再版され Chaosium の公式ページや DriveThruRPG でダウンロード購入可能になっています。OCRされていなくて実用性は低くてコレクターアイテム的になりますが価格は安いので RPG の歴史に興味があ人は購入してみるはいかがでしょうか。

Chaosium: http://www.chaosium.com/runequest-1st-edition-pdf/

DiveThruRPG: http://www.drivethrurpg.com/product/177112/RuneQuest-1st-Edition


●RuneQuest 第2版

RQ1 はかなり好評だったらしく、発売から2年後の1980年に RuneQuest第2版が発売されました。その後 RQ2は何度も何度も色々な形態で再版されたため色々な表紙が存在しています。


上記の写真は RuneQuest/Glorantha コレクターとしても有名な Chaosium社の現社長 Rick Maints のコレクションです。右上の赤と茶色の2色刷りのものだけが RQ1 で残りは全て RQ2 になります。上列の箱がボックスセット、下列に並んでいるフルカラーのものが通常のソフトカバー版で発売時期によってロゴマークなどが微妙に違います。右下の単色刷りのやつは上列にあるボックスセットの中身のルールブックでボックスセットにはこの他にシナリオのアップルレーンなどが同梱されていました。

左上にある紫色っぽい表紙のものはイギリスの Games Workshop からライセンス販売されたものです。こちらもソフトカバー版とボックス版があります。写真だと少しわかり難いですが左下のものは Reston Publishing からライセンス発売されたハードカバー版です。これはカバーを外すと赤革風になっています。写真にはないですが他にもボクッスセットの中身として以下のような赤単色刷りのものがあります(写真は rpg.net より)。


表紙は色々ありますが、中身は全て同じ版でレイアウトまで含めて完全に同じです。


★RQ1 と RQ2 の違い

RQ1 と RQ2 は基本的なルールはほぼ同じですが、大幅な追加と微妙な変更が存在しています。興味ある人もいるかもしれませんので違いについて簡単にまとめてみました。

綺麗: ぱっと見で一番目につくのは綺麗さの違いです。RQ1 でタイプライターで打ったものをそのまま切り貼りしていて微妙に斜めになっていたりした表が RQ2ではきちんと植字したものに差し替えられています。手書だった地図やルーンやイラストなども清書されたものに置き換えられています。

表: 武器表やファンブル表などのテーブル類が差し替えられています。遊ぶ上で一番違いが出るのはこの部分かもしれません。もちろん今遊ぶなら調整済みの RQ2 のデータを使うのがお勧めです。

付録: 分量的に最も大きな変更は「第10章の付録(Referee Notes/Appndix)」が大幅に追加されいことです。主なものではノックバック、盾による攻撃、スラッシュとクラッシュ、暗闇と光源、落下や火によるダメージ、物品の価格表などが追加されています。事前経歴のルールも差し替えになっています。無くなったものとしてはルーンの識別から風(Air)のルーンの行が消えています(謎です。編集ミスかもしれません)。

編集: 一部で編集が変更になっています。例えばシャーマンの項目が RQ1 ではルーン魔術の章にあったのが基本魔術の章に移動されています。他にもモンスターは RQ1 は種類順に並べられていたのが、RQ2 では名前のアルファベット順に並べ換えられています。その際に失敗したのか Barbarian Dragonewt の項目が RQ2 では消失していたります。

ルール修正: ルール変更はほとんどないのですが、例えば荷重オーバー時の処理など一部のルールがこっそり変更されています。荷重ルールは付録の方に別方式のオプションルールが追加されていたりもしますが。

正誤表: RQ1 との違いとはちょと異なりますが、RQ2の最初の版以外では表紙の裏と裏表紙の裏に正誤表が追加されています。この正誤表は最初はサポート誌の Wyrms Footnote に掲載されたものですが、増版する時に本文には手に入れずに正誤表を表紙裏に追加したようです。


●RuneQuest 第3版

Avalon Hill から出版され、HobbyJapanから日本語翻訳されたのがこの第3版になります。それで日本では馴染深い人も多くカタカナで「ルーンクエスト」と言ったらこの版を指すことが多いと思います。RQ2 からはルールが全面改訂になっており、グローランサ以外の一般的なファンタジー世界に対応できるよう様々なルール改変や追加がありルールの量も大幅に増えています。


事情はちょっと複雑なのですが、この RQ3 も Avalon Hill の作品というわけではなく Chaosium社の作品になります。普通の本の著者と出版社の関係を思い浮かべてもらえると近いのですが、 Chaosium が著作権を持って開発/著述を行ない、ウォーゲームなどを多く出版してゲームショップなどに既存の販路を持っていた Avalon Hill が出版と流通を担当していました。

また Avalon Hill との契約によりグローランサ専用ではなく汎用ファンタジー設定として作り直され、グローランサ以外のサプリメントを Avalon Hill が独自に出版できる契約になっていました。

この提携は残念ながら大手の Avalon Hill に有利で Chaosium には一方的に不利なものだったらしく販売販路は広がったものの Chaosium社の収入は減ってしまい最終的には物別れになってしまいました。この契約解除の時の交渉により Chaosium から RuneQuest の商標が Avalon Hill に譲渡され、グローランサとルールシステムに関する権利は Chaosium社に引き上げられました。

その後グローランサ(Glorantha)の権利は Greg Stafford が世界中のグローランサ・ファンからの支援をもとに設立した Issaries社に移され、RuneQuest の権利は「システム(著作権)」と「商標」と「背景世界」をそれぞれ別の会社が持つことになりました。


●Mongoose版RuneQuest

しばらく時間がたって RPG出版から撤退した Avalon Hill が更新せずに手放した RuneQuest の商標をグローランサの権利を持つ Issaries社が取得しました。イギリスの大手RPG出版社である Mongoose Publishing が Issaries社から RuneQuest の商標と背景世界(Glorantah)のライセンスを受けて出版したのが Mongoose版 RuneQuest (MRQ) および RuneQuest II (MRQ2)です。


●Design Mechanism版RuneQuest

Mongoose版の RuneQuest II の著作者だった Loz と Pete が、Mongoose と別れて Issaries社から直接ライセンスを受けて出版したのが Design Mechanism版の RuneQuest です。Mongoose版を4版、5版と数えると第6版になることから、RQ6 と呼ばれることもあります。ルール的には MRQ2 とほぼ同じですが、記述が詳しくなり編集が格段に良くなっています。


●RuneQuest Classic

そして Greg の半隠退にともなって「商標」と「背景世界(グローランサ)」の権利はビジネスパートナーだった Moon Design社に譲渡されました。

昨年(2015年)6月に Greg Stafford が Sandy Petersen と組んで Chaosium社の経営に復帰し、8月に Moon Design社のスタッフをその運営に据えたことにより、ばらばらになっていたグローランサの権利と RuneQuestの商標がシステムの権利(著作権)を持つ Chaosium社に戻ることになり RuneQuest の再版が可能になりました。

それを受けて Kickstarterで資金募集され今年(2016年)に再版さた RuneQuest 2版が RuneQuest Classic です。昔のものと区別して  RuneQuest Classic と呼ぶこともありますが、一般には区別せずこれも RQ2 と呼ぶようです。


内容的には過去の RQ2 と同じ文章ですが、全面的にレイアウトがやりなおなされており、表紙裏にあった正誤表の内容が全て本文に反映され改版されいます。加えてサポート雑誌の Wyrms Footnote からルール解説コラムなども転載されており、その関係でページ数が 128ページから 144ページに増えています。あと年表が ST.1627年まで進んでいたりします。

この新しい RQ2 は以下から PDF版が購入することができます。

Chaosium: http://www.chaosium.com/runequest-2nd-edition-pdf/

DiveThruRPG: http://www.drivethrurpg.com/product/177116/RuneQuest-2nd-Edition-1980


●RuneQuest第4版

現在 Chaosium社では RQ2 をベースにした新しい RuneQuest を鋭意開発中ということで、今年の夏の GenCon でドラフトを公開、後半にも発売とアナウンスしています。彼らはこの開発中の RuneQuest を Chaosium の第4版、RQ4 と呼んでいるようです。

過去には Avalon Hill から出版予定だった RuneQuest: Adventures in Glorantha が RQ4 と呼ばれていたことがありました。また Mongoose版 RuneQuest とその後継版のことを RuneQuest 4版および 5版と数えていたこともありました。これらは勘定外として Chaosium のものだけを数えることにしたようです。略称についてはややこしいので変えて欲しい気もします。


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以上、ルーンクエストの版としてだいたいこんな感じですが、今回の連載では RQ2 のルールについて紹介したいきたいと思います。