2018年7月10日

RQG 戦闘ルール解説 (暫定版) 第2回 攻撃と防御

第2回はメインの攻撃、受け流し、回避について説明します。RQG では RQ2 にあった防御値(Defense)のルールが存在せず、RQ3 と同じ回避技能が導入されています。受け流し(パリィ)のルールが RQ2/RQ3 とは大きく違っているので要注意です。

●近接攻撃(Melee Attack)

近接武器による攻撃は「DEX SR + SIZ SR + 武器の長さSR」に判定します。武器を準備したり、不意打ちを受けたりした場合にはその分が SR に加算されます。攻撃は使用している武器のスキルで判定します。スキルは RQ2/RQ3 と違って攻撃スキルと受け流しスキルに分かれていません。対応する武器スキルを持っていない場合には同じカテゴリの武器スキルの半分で代用できます。例えばシミタースキルを成長させていなくても、同じ片手剣カテゴリーのブロードソードスキルがあればその半分でシミターを使用できます。

攻撃成功

D100 で武器スキル以下を出したら攻撃成功です。攻撃に成功したら武器のダメージを振り、キャラクターの STR や SIZ によるダメージ・ボーナスがあればそれも振って加算します。D20 を振って対象の命中部位を決めてダメージを適用します。対象がその部位の鎧をつけていた場合には、ダメージから鎧のアーマー・ポイント(AP)の分が引かれます。攻撃に成功していても受け流しや回避および鎧や防御魔術によってダメージが出せなかったり反撃を受けることもあります。

攻撃スペシャル成功

D100 で武器スキルの 1/5 以下を出したらスペシャル成功です。スペシャル成功になったら武器の種類によってインペイル(貫通)、スラッシュ(斬撃)、クラッシュ(粉砕)のいずれかの特殊ダメージが発生し、それを命中部位に適用します。

[検討] スキルの端数処理

端数処理には曖昧さがあります。過去の版においてスキルの端数処理は RQ2 では端数切り捨て、RQ3 では四捨五入でした。

RQG では攻撃のスペシャル成功およびクリティカル成功は、本文では技能の 1/5 以下および 1/20 以下と記載されており、これは RQ2 と全く同じ記述で処理としては端数切り捨てを意味します。一方でルール冒頭(p.7)では「端数処理はプレイヤーの有利なように」となっており、これに厳密に従うならば PC の場合には端数切上げ、敵の場合には切り捨てにすることになるかもしれません。さらには p.143 にある「アビリティ結果表」は困ったことに端数を四捨五入して計算されています。

作者の一人である Jeff Richard 氏は四捨五入は面倒なので RQG では一切使用しないと昔フォーラムに書き込んでおり、個人的にも暗算が楽なのでスキルの端数は切り捨てが好みなですが、実際はどれが正解かわかりません。

攻撃クリティカル成功

D100 で武器スキルの 1/20 以下を出したらクリティカル成功です。クリティカル成功になった場合には、ダメージダイスを振らずに武器ごとの特殊ダメージの最大値を命中部位に、鎧を無視して適用します。ダメージ・ボーナスについては通常どおりダイスを振ります。

[検討] 最大ダメージ

クリティカル成功が最大ダメージを与えるかどうかには少し曖昧さがあります。RQ3 ではクリティカル成功は最大ダメージだったのに対して、RQ2 では最大にはならず個別ルールが適用されていました。

RQG の場合 p.206 本文のクリティカル命中の説明だと「鎧無視で特殊ダメージを与える」とだけなっており最大とはなっていません。一方で p.200 の戦闘サマリや p.203 の特殊ダメージのサマリでは「特殊ダメージの最大を鎧無視で与える」となっています。他にも最大ダメージだったり最大とは書いていなかったり、記述によってまちまちです。極めつけは「攻撃と受け流し結果表」や「回避結果表」で、防御側が受け流しや回避に失敗した時のみ最大ダメージになるという中途半端さです。

その後の 6月22日のルールブック改訂版において、「攻撃と受け流し結果表」が、クリティカルは最大ダメージに統一されました。「回避結果表」の方は最大ダメージに訂正されていないものの、デザイナーの意図は最大ダメージの方だろうと推定により、この解説では最大ダメージで統一しました。

攻撃失敗

D100 で武器スキルより大き出目を出したら攻撃失敗です。攻撃に失敗したら原則として相手を傷つけることはできません。逆に場合によっては自分の武器を傷つけれれる可能性があります。

攻撃ファンブル

攻撃でファンブルを出した場合には、攻撃失敗と同じ扱いですが、加えて「攻撃ファンブル表」を振らなければなりません。

[検討] ファンブルの確率

RQG はファンブルの計算方法にも曖昧さがあります。p.206 のファンブルのルールではスキルが 20% 以下ならばファブルの可能性 5%(96-00)、スキルが 20% 増えるごとにファンブルの可能性が 1% 減少するという RQ2 と同じルールになっていますが、それ以外の場所では「失敗の可能性の 1/20」という曖昧な端数処理に依存する記述になっています。p.142 の「アリビリティ結果表」では RQ3 と同じく「(100-スキル)/20の結果を四捨五入」として計算しているようです(というか、この表は何も考えずに RQ3 からパクッてきただけのようです)。

微妙な差しかありませんが、どのやり方にするか決めておかないと混乱するかもしれません。個人的には RQ2 方式が暗記しやすいので好みです。

●インペイル(Impale): 貫通ダメージ

槍や弓矢などの突き刺し武器がスペシャル成功した場合にはインペイル(貫通)ダメージが発生します。

[検討] 貫通と受け流し

p.203 に「受け流し(パリィ)をされた場合には貫通が発生しない」ようにも読める記述がありますが、他の記述と矛盾するので無視しました。もしかしたらクリティカル受けやスペシャル受けをされた場合には、貫通ダメージが発生しない可能性もあることを言いたかっただけなのかもしれません。

貫通のダメージ計算

貫通が発生すると通常の武器のダメージを 2回分振って合計します。クリティカル命中の場合には武器ダメージは振らずに 2回分の最大値を合計します。STR や SIZ によるダメージ・ボーナスや魔術によるボーナスは 2倍になりません。

突き刺さり(スタック)

貫通により身体にダメージを与えた場合には、武器が身体に刺さったままになります。鎧のなどのせいでダメージが出なかった場合には刺さったままにはりません。

攻撃者は刺さった武器をすぐに取り戻した場合には、その武器スキルの半分で成功しなければなりません。失敗した場合には武器を手放してしまいます。

刺さった武器を時間かけて取り戻したい場合には、次の戦闘ラウンドを完全にそれに専念する必要があり、ラウンドの最後に通常の武器スキルで判定します。失敗した場合でも武器を手放すことはなく、その次のラウンドに再び試みることができますが、ファンブルをしたら武器が壊れてしまいます。

武器が刺さったままの行動

武器を刺された対象は武器が刺さったまま移動することができますが、ラウンドごとに武器のダメージの半分(切捨て)を受けます。移動せずに目の前の敵を攻撃するだけならばダメージを受けません。

貫通された対象が自分で武器を抜く試みもできますが、武器を抜くことに専念しなければならず、その間は受け流しも回避もできません。武器を抜くには痛みに耐える必要があり D100 で (STR + CON)×2 以下をロールする必要があります。

刺さった武器を抜くまでは治療はできません 治癒(ヒール) 2 以上の魔術を使用すればそれ以上の出血を止めることができますが、HP は回復しません。

盾への突き刺さり

貫通ダメージに対して盾による受け流しを成功した場合には、武器は身体ではなく盾に突き刺さったままになります。盾から武器を抜くには丸 1ラウンドかかります。

刺さった武器が ENC 2 以上ならば武器を抜くか壊するまで盾を使用できなくなります。ENC 1 ならば盾スキルの成功率が半分になります。

●スラッシュ(Slash): 斬撃ダメージ

剣や斧などの切り裂き武器がスペシャル成功した場合には、スラッシュ(斬撃)ダメージが発生します。

斬撃のダメージ計算

斬撃が発生すると通常の武器のダメージを 2回分振って合計します。クリティカル命中の場合には武器ダメージは振らずに 2回分の最大値を適用します。STR や SIZ によるダメージ・ボーナスや魔術によるボーナスは 2倍になりません。

斬撃による無力化(Incapacitate)

斬撃で身体にダメージを受けた場合には対象はショックで気絶する可能性があります。対象は D100 で (CON - 受けたダメージ)×5 以下をロールしなければ 1D6 時間意識を失ないます。

●クラッシュ(Clash): 粉砕ダメージ

メイスやハンマーなどの打撲武器がスペシャル成功した場合には、クラッシュ(粉砕)サメージが発生します。

粉砕のダメージ計算

粉砕ダメージが発生すると通常の武器ダメージに、SIZ と STR によるダメージボーナスを1回分振って加え、さらにダメージ・ボーナスの最大値を加算します。ダメージ・ボーナスがない場合やマイナスの場合にはダメージは増えません。クリティカル命中の場合には武器ダメージは振らずに最大になります。

[検討] スリング弾

RQ2/RQ3 ではスリング弾は弓矢とかと同じ扱いで貫通ダメージを発生させる武器でした(拳銃弾のように対象を撃ち抜ける)。RQG ではこれが石投げと同じような粉砕ダメージを発生させる武器に変更になっています。ところがスリングのような射撃武器にはダメージ・ボーナスが適用できないというルールが別に存在しており、粉砕ダメージはダメージ・ボーナスが増えるだけなので、スリングがスペシャル成功した場合にどうい処理になるか不明です。個人的にはスリングは昔のように貫通武器に戻すのが無難な気がします。

●受け流し(Parry)

敵の攻撃を受けた時、持っている盾や武器を使って(場合によっては素手でも)受け流し(パリイ)を試みることができます。この受け流しのルールが RQ2RQ3 と比べて最も大きく変化し、ややこしい点かと思います。

受け流しにはストライクランクは必要ないので、攻撃された時点でも盾か武器の準備が終わっていればいつでも実行でき、攻撃と同じ武器スキルで判定します。RQ2/RQ3 は武器スキルが攻撃と受け流しに分かれていましたが、RQG では同じ武器スキルに統一されています。

受け流しをするかどうか、複数の武器や盾を持っている場合にはどちらで受け流しをするかは、事前に宣言しておく必要がなく攻撃を受けるごとに判断できますが、相手が攻撃のスキル判定をする前に宣言しなければなりません。受け流しを宣言した場合には例え相手が攻撃に失敗したとしても必ず受け流しのスキル判定をする必要があります。

RQ2/RQ3 と違って同じ武器を使って 1ラウンドに複数回の受け流しを実行することも可能です。しかし使う武器によらず 2回目以降の試みには、累積的に -20% のペナルティが与えられます。2回目の試みは-20%、3回目は-40%、4回目は-60%と、成功失敗にかかわらずどんどん難しくなっていきます。最後はゼロ以下になりますが、スキル判定は常に 05% の成功が保証されているため、マイナスになっても受け流しの試みを続けることができます。

[検討] ゼロ以下での受け流し

ルールブックでは上記のように、累積ペナルティ等で受け流しがゼロ以下になっても 05% で試みることができると明記されていますが、作者の一人である Jason Durall氏はゼロ以下になったら実行できないとフォーラムで解説しています。同じく彼が作者である Basic Roleplaying 2008年版で、ゼロ以下では実行できないルールになっていたので、混同しているのではないかという気がします。作者の意見なので従うべきなのかもしれませんが、そうすると他のペナルティと重なってゼロ以下になった場合など新たな疑問点がわいてきますので、ここではルールブッックどおりとしておきました。

受け流し成功

D100 で武器スキル以下を振ったら受け流し成功です。1/5以下ならスペシャル成功、1/20以下ならクリティカル成功になります。

受け流しに成功してさえいれば少なくとも受け流しに使用した武器の HP分だけダメージを量を減少させることができます。残ったダメージがあれば D20を振ったランダムな命中部位に適用されます。

[検討] 隣接部位

p.198 の本文左列では武器による受け流しを抜けたダメージはランダムな命中部位に与えられるものの、盾による受け流しを抜けたダメージはランダムではなく隣接部位(たいていは盾を持つ腕)に与えられるというルールがあります。p.198 の本文右列では盾との限定は無く受け流しにスペシャル成功し、攻撃もスペシャ成功またはクリティカル成功の時のみ隣接部位(たいていは盾を持つ腕)に与えられるとなっています。p.199 の「攻撃と受け流し結果表」ではさらに異なっていて受け流しの成功レベルが攻撃の成功レベルを下回った場合に隣接部位に適用される結果となっています。一方で p.218 の盾のルールでは盾受けを抜けたダメージはダイスを振って決めた本来の命中部位に適用されるとなっていてて、4種類の異なったルールが存在していてます。

何らかの意味で新しいルールを導入しようとした感じなのですが、どれを使っていいのか判別できないので、現時点ではシンプルさ重視ということで、昔のままの全てランダムな部位に適用としておきました。

受け流しに成功した場合、もし受け流しの成功レベルの方が低ければ受けに使用した武器や盾にダメージが入る可能性が高まります。RQ2 では盾はダメージを受けず壊れませんでした RQG では盾も壊れます。逆に受け流しの成功レベルの方が高ければ攻撃を無効化した上で攻撃に使用した武器にダメージが入る可能性が高まります。まとめると以下のようになります。

受け流し
クリティカル
受け流し
スペシャル
受け流し
通常成功
受け流し
失敗
攻撃
クリティカル
通常ダメージ
受け流し(通常)
最大特殊ダメージ
受け流し(弱)
鎧無視
最大特殊ダメージ
受け流し(弱弱)
鎧無視
最大特殊ダメージ
受け流し失敗
鎧無視
攻撃
スペシャル
攻撃失敗
反撃(通常)
通常ダメージ
受け流し(通常)
特殊ダメージ
受け流し(弱)
特殊ダメージ
受け流し失敗
攻撃
通常成功
攻撃失敗
反撃(強)
攻撃失敗
反撃(通常)
通常ダメージ
受け流し(通常)
通常ダメージ
受け流し失敗
攻撃
失敗
攻撃失敗
反撃(強強)
攻撃失敗
反撃(強)
攻撃失敗
反撃(通常)
攻撃失敗
受け流し失敗

受け流し(弱弱): 攻撃側が二段階高い成功をしている場合

攻撃クリティカル成功/受け流しが通常成功の場合です。

この場合は攻撃側はクリティカル成功のダメージを、まずは受けをした盾や武器の HP に直接適用して減らします。多くの場合は受け流しに使用した盾や武器が破壊されることになります。

もし受け流しに使用をした盾や武器を破壊(HP 0 に)した後に残ったダメージがあれば、D20を振った本来の命中部位に適用されます。

受け流し(弱): 攻撃側が一段階高い成功をしている場合

攻撃スペシャル成功/受け流し通常成功や、攻撃クリティカル成功/受け流しスペシャル成功の場合です。

この場合に攻撃側は対応するスペシャル成功やクリティカル成功のダメージから、受け流しに使用した盾や武器の現在の HP を引くことができ、ダメージをゼロ以下にできた場合にはそれ以上何も起きません。

もし残ったダメージがあったら、それを命中部位に適用する(攻撃クリティカルならば鎧無視)と同時に、同じ量だけ受け流しに使用した盾や武器の HP を減らします。

受け流し(通常): 攻撃と受け流しの成功レベルが同じ時

一般的な攻撃が通常成功/受け流しも通常成功の場合です。この処理は攻撃も受け流しもスペシャル成功、攻撃も受け流しもクリティカル成功のような同じ成功レベルの時にも使用します。攻撃側がスペシャル成功やクリティル成功していたとしても、受け流し側のスペシャル成功やクリティカル成功によって軽減され、通常ダメージに対する受け流し通常成功の扱いになります。

通常の武器のダメージを振って、そこから受け流しに使用した盾または武器の現在の HP を引くことができます。これでダメージがゼロ以下になった場合に完全に防いだことになりそれ以上何も起きません。

もし残ったダメージがあればその分が、D20を振った本来の命中部位に適用されます。さらに受け流しに使用した盾や武器の HP を 1ポイントだけ減らします。

反撃(通常): 受け流し側が一段階高い成功をしている場合

攻撃失敗/受け流し成功、攻撃通常成功/受け流しスペシャル成功、攻撃スペシャル成功/受け流しクリティカル成功の場合です。

この場合、攻撃は失敗で攻撃側はダメージを出せません。かわりに防御側が受け流しに使用した盾や武器の通常ダメージ(ダメージ・ボーナスを含む)を振ります。もしその値が攻撃に使用した武器の現在の HP を超えていた場合には、攻撃に使用した武器の HP が 1 だけ減少します。

反撃(強): 受け流し側が二段階高い成功をしている場合

攻撃失敗/受け流しスペシャル成功、攻撃通常成功/受け流しクリティカル成功の場合です。

この場合、攻撃は失敗で攻撃側はダメージを出せません。かわりに防御側が受け流しに使用した盾や武器の特殊ダメージを振ります。もしその値が攻撃に使用した武器の現在の HP を超えていた場合には、その超えている分だけ、攻撃に使用した武器の HP が減少します。

反撃(強強): 受け流し側が三段階高い成功をしている場合

攻撃失敗/受け流しクリティカル成功の場合です。

この場合、攻撃は失敗で攻撃側はダメージを出せません。かわりに防御側が受け流しに使用した盾や武器の特殊ダメージを振って、そのまま攻撃に使用した武器の HP を減らします。

[検討] 受け流しの効果

受け流しの効果についてルールブックには多くの矛盾した記述があります。

p.199 の「攻撃と受け流し結果表」では攻撃クリティカル成功で、受け流しがスペシャル成功の時に受け武器の HP が 1ポイントしか減らないとなっており p.198の本文記述と一致していません。

p.198 のスペシャル・パリィの説明において、攻撃がクリティカルの場合には鎧無効となっていないのに、攻撃がスペシャル成功した場合には鎧無効というおかしなことになっています。

さらに問題なのは p.200 にある「クリティカル命中に対する受け流し」の段落で、受け流しのルールが全面的に変更になっているのに、ここだけ RQ2 に準拠したルールになっていて段落ごと他の部分のルールと矛盾しています。これは元のなった RQ2 の個別ルールの消し忘れのように見えます。

他にも微妙な記述の違いがありますが、現時点で一番整合性がありそうなルールとして上記のように取捨選択しました。

受け流し失敗

受け流しに失敗した場合は、受け流しをしなかったかのように扱われ、攻撃側の結果がそのまま適用されます。

受け流しファンブル

受け流しにファンブルした場合は失敗の時と同様、受け流しをしなかったのと同様に扱われ攻撃の結果がそのまま適用されます。さらに加えて「受け流しファンブル表」を振らなければなりません。

[検討] 受け流しファンブル

p.199 の「攻撃と受け流し結果表」では攻撃クリティカル成功に対して、受け流しがファンブルした場合に「自動命中」となっていますが何のことだかわからないため無視しました(クリティカルなので命中は当り前)。同じ結果表で攻撃失敗、受け流しファンブルの時に攻撃側が通常ダメージを与えるように書かれていますが、本文の方には特に記載がなく、書き間違いもしくは回避のルールが紛れ込んだ可能性が高いため無視しました。

●回避(Dodge)

攻撃された時、受け流しのかわりに回避を選択できます(両方はできません)。受け流しと同じく回避も同じラウンドに複数回実行できますが、2回目以降には受け流しと共通の -20% 累積ペナルティが適用されます。

回避には荷重(ENC)によるペナルティがあります。たとえ上限以下でも荷重(ENC) 1ごとに -1% のペナルティを受けます。上限を超える分についてはさらに -5% づつのペナルティ(合計で -6%づつ)が追加されます。

[検討] 回避と荷重

p.201 戦闘の章の回避の説明では、上限以下の部分が -1%、上限を超えている部分については -5%となっています。回避のルールとは別に、荷重ルールとして上限を超える荷重は +1 ごとに運動(Agility)分野、操作(Manipulation)分野、隠密(Stealth)分野、武器(Weapon)のスキル全てに -5% というルールがあります。この二つのペナルティが重複するのかは不明瞭です。

一方で p.151 の荷重のルールの場所にも「回避と荷重」のルールがあり、こちらは少し違っていて、上限を超えているかどうかにかかわらず荷重(ENC)ごとに -1%、上限を超えている場合にはさらに -5% づつ加算となっています。こちらの方がシンプルだと思うので、この解説ではそちらに合わせました。

回避の効果はオール・オア・ナッシングです。回避の成功レベルが攻撃の成功レベルと同じか上回っていれば攻撃を無効化できますが、足りない場合には効果がありません。

回避
クリティカル
回避
スペシャル
回避
通常成功
回避
失敗
攻撃
クリティカル
攻撃失敗 最大特殊ダメージ
鎧無視
最大特殊ダメージ
鎧無視
最大特殊ダメージ
鎧無視
攻撃
スペシャル
攻撃失敗 攻撃失敗 特殊ダメージ 特殊ダメージ
攻撃
通常成功
攻撃失敗 攻撃失敗 攻撃失敗 通常ダメージ
攻撃
通常失敗
攻撃失敗 攻撃失敗 攻撃失敗 攻撃失敗

回避成功

D100 で回避スキル以下を振ると回避成功です。回避に通常成功すれば相手の攻撃が通常成功ならば完全に無効化できます。しかし攻撃がクリティカル成功やスペシャル成功している場合には軽減されることなく全てのダメージを受けます。

回避スペシャル成功

回避にスペシャル成功した場合には、攻撃が通常成功およびスペシャル成功ならば完全に無効化できます。攻撃がクリティカル成功している場合には軽減されることなく全てのダメージを受けます。

回避クリティカル成功

回避にクリティカル成功した場合には攻撃の成功レベルにかかわらずを無効化できます。

回避失敗

回避に失敗した場合には回避を試みなかったのと同様に扱い、攻撃の結果がそのままま適用されます。

回避ファンブル

回避にファンブルした場合には、例え攻撃側が失敗していたとしても自動的に通常命中になります。元から攻撃が通常成功、スペシャル成功、クリティカル成功の場合には変化はありません。

[検討] 回避のファンブル表

p.201 の「回避結果表」によると回避にファンブルした場合は「ファンブル表」を振るとの記述がありますが、これは本文に記載がなく、そもそもの問題として回避用のファンブル表が存在していません。個人的にファンブル表を振るのが好きなので「回避ファンブル表」を作って欲し気はするのですが仕方がないので今回は無視しました。

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第2回は以上です。次回は遠隔攻撃、呪文などについて説明します。

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